家庭科:男女がともに学ぶ家庭科学習のスタート


高等学校1、2年で「家庭一般」4単位を男女が共に履修する教育課程とし、 表に示す学習内容と計画に従って実践に取り組んでいる。  

学期  題  材 時間  学習内容



家庭科の学習について

1、家族と家庭生活

(1)家族と家庭

(2)家族の生活と家庭経営

(3)生活設計

(4)高齢者の生活と福祉

(5)まとめ

ア、男女共修の意義
イ、家庭科の学習のねらい
ウ、家庭科の学習の方法

ア、家族・家庭とは  イ、家庭生活の意義
ア、生活時間の内容と実態
イ、家事労働  ウ、生活時間とゆとり
エ、家庭経営のあり方
ア、生活設計の意義  イ、生活観の確立
ウ、ライフステ−ジと生活設計
ア、高齢少子社会の現状
イ、高齢者の心身の特徴と家庭生活
ウ、社会福祉とボランテイア
家庭生活に関する資料集めをもとに
ア、意見交換  イ、まとめ
 [各自の課題設定]

2、家庭経済と消費

(1)国際的視野に立つ経済

(2)家庭の経済生活

(3)消費生活と消費者としての 自覚

(4)生活情報の活用

10 ア、家庭経済と国民経済の関わり
ア、家庭の収入と支出
イ、家庭の経済計画(長期・短期)
ウ、家計の管理  エ、税と福祉
ア、消費生活の現状  イ、生産・流通・消費
ウ、消費者信用
ア、生活情報と消費生活  イ、生活情報の活用



3、食生活の設計と調理
(1)家族の食事と栄養
(2)食品衛生

(3)献立と調理

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ア、食物と食生活  イ、栄養素のはたらき
ア、微生物の特徴  イ、食中毒
ウ、食品添加物

ア、食品の種類による特質
イ、食品の選択と取り扱い
ウ、摂取量のめやすと家族の献立作成
エ、日常食の調理  オ、会食と食卓作法




4、住居の機能と住生活の設計
(1)住まいとしての住居

(2)今日の住居

(3)住生活の設計

(4)居住性と住居の管理

(5)地域と環境衛生

18 ア、住まいとは イ、住居の機能
ウ、住文化・住まい方
ア、住居の構造 イ、住居の形態
ウ、住宅事情 エ、住宅政策
ア、生活機能と住空間 イ、住空間の配置
ウ、住空間の広さ エ、家族周期と住まい
ア、住居の衛生と安全 イ、住居の管理
ウ、室内整備の計画と美化
ア、環境保全 イ、資源の有効利用



5、衣生活の設計と被服製作
(1)被服の機能と着装

(2)被服の選び方
(3)被服管理
(4)被服製作

24 ア、衣生活の現状 イ、被服の機能
ウ、日常着の着装
ア、被服材料の性能と選択 イ、被服デザインの選定
ア、被服計画 イ、被服整理
ア、被服の構成 イ、帽子の制作
 @ 型紙つ`くり A 裁断
B ブリムをつくる C クラウンをつくる
D ブリムとクラウンをつける E 仕上げをする
ウ、鑑賞



6、乳幼児の保育と親の役割
(1)青年期の生き方と結婚

(2)母性の健康と母性保護

(3)乳幼児の保育

(4)子どもの人間形成と親の
役割

24 ア、人生と結婚
ア、母性の健康と胎児の成長
イ、母性保護の現状と課題
ア、新生児の特徴 イ、乳幼児の心身の発達
ウ、乳幼児の生活と世話 エ、家庭保育と集団保育

ア、子どもの成長と家庭 イ、精神の健康
ウ、家庭環境と親の役割

  *ホ−ムプロジェクト       4

 

実践の具体的内容例

1、家族と家庭生活では

(1) 新聞の切り抜き記事(家庭生活に関するもの)をもとに、グル−プで意見交換をしながら、記事の要旨や背景、自分たち  はどのように関わっていけばよいか等、模造紙にまとめる。 まとめたものは、各領域の学習時に教室に掲示すると共に、 発表も行ない活用している。 グル−プ編成は、次に掲げる内容に従って、各自興味・関心のある分野に分かれて編成する。
  a、家族の問題に関して
  b、男女の役割分担に関して
  c、家庭科の男女共修に関して
 d、食生活に関して
  e、衣生活に関して
  f、住生活に関して
  g、家庭経済に関して
  h、保育に関して
  i、高齢者問題に関して
(2) 今日、核家族が多く、また、拡大家族であっても、日々自分の生活に追われ、お年寄りとの対話が少ない状況にある。
高齢化社会に向け、共に生き、共に支え合う気持ちを養ったり、また、自分の老後のことを考えていくためにも、お年寄 りのことをよく知り、理解していくことは大事なことである。そこで、1年生の夏休みに「高齢者との対話」という課題 を設定している。同居していなくても、何らかの形で、努力し、話し合いをし、多くのことを学び、高齢者に対する意識 や考え方に変化が現れている。

2、調理実習の内容は次の通りである。

a、親子どんぶり・ほうれん草のごまあえ・(すまし汁)
  b、白飯・糖錯魚片・清湯三糸・庵菜
  c、変わりす`し・(みそ汁)
   d、パン・マカロニグラタン・グリ−ンス−プ・(サラダ)
  e、炊きおこわ・刺身・白あえ・(吸物)
  f、雑炊・かぼちゃのそぼろ煮・おろしあえ・(フル−ツ)
  g、チキンピラフ・コロッケ(ミックスベジタブル添え)・フル−ツサラダ・(ス−プ)
  h、カスタ−ドプデイング・バタ−ロ−ル・ジャム・飲み物(ジュ−ス)
  注:・()メニュ−は、班の自由な内容にする
  ・ f のメニュ−は、高齢者に対応したものとして考えた
  ・ g では、幼児食のことを考えると共に、冷凍食品の活用を考えた
  ・ h では、幼児のおやつを考え、手作りのパンとジャムにする

3、被服製作では帽子の制作をしている。

型は、キャップ型とクロッシュ型で、組み合わせると4通りになり、各自の選択に任せている。

4、保育所での体験学習

学校の近くに、0才から5才児を保育している保育所があり、高校生との交流を依頼したところ、今日では、兄弟姉妹数 が少なく、幼児たちにとっても、家庭で接することが少ないので歓迎された。高校生たちも、最初はどのように関わってい けばよいのかわからなかったが、次第に打ち解け、楽しく遊び、手作りのおもちゃを持っていき、一緒に遊んだ。こうした 体験を通して、遊びの大切さや、手作りのおもちゃの良さを見直している。

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