高大連携授業


 
 中学生や高校生が大学や研究所等の研究者の方々の講義や講演を受けることは,学習への動機付けや幅広い学力の向上を図るとともに,自らの適性を見出し,将来の進路や職業選択につなげる上で,大きな意味があると考えられます。2002年度に広島大学附属福山中・高等学校では,牟田広島大学長の講演をはじめとして,大学や研究所等の先生方を迎えて,10件の講義や講演を実施しました。この報告書は,それらの先進的な取り組みを広く紹介し,これから高等学校と大学・研究所などとの連携を始めようとされる学校に,何らかのお役に立てればと考えて編集いたしました。
 
 今回ご紹介する取り組みのうち,8件はサイエンス・パートナーシップ・プログラム(Science Partnership Program : SPP) の 先行的調査研究として実施したものです。SPP事業は,文部科学省の「科学技術・理科大好きプラン」の施策として実施された事業で,大学や研究機関等の人材,施設,設備等を,学校における科学技術・理科,数学教育に活用するための制度です。ふだん接することのできない大学や研究機関の研究者・技術者の方を学校にお招きし講義をしていただく「特別講義」と,大学等の施設を利用しながら学習を進める「科学技術・理科学習プログラム」があります。当校ではこの事業の支援を受け,先進的な研究施設や実験装置等,科学技術・理科教育に活用できる様々なリソースを持つ大学,研究機関,企業等と連携することにより,第一線の研究者・技術者による特別授業や研究機関等を利用した発展的な学習プログラムの開発を行ってきました。
 また今回ご紹介する取り組みのうち3件は,インターネットを活用した大学と附属学校を結ぶテレビ会議システムを利用した遠隔講義,遠隔講演の形で実施したものです。またこの3件以外にも,いくつかのプログラムでインターネットやコンピュータ等の情報機器を活用するなど,最先端の技術や機器を活用した取り組みを行っています。
 当校ではこれらの取り組みを学校教育の中に位置付けることで,子どもたちの様々な学問に対する関心を高め,学習意欲の向上を図り,創造性,知的好奇心・探究心を育成したいと考えています。
 
 最後になりましたが,これまでの当校のプログラムに,直接あるいは間接的に,ご支援・ご協力を賜りました多くの皆様に,厚くお礼申し上げます。そして,今後とも当校の教育活動に対してご理解・ご支援を賜りますよう,よろしくお願い申し上げます。

 

広島大学附属福山中・高等学校長
角 屋 重 樹

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