山形大学教育学部附属中学校の実践事例
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総合的な学習を表すタイトル
総合学習LIVE
キーワード,分類
「学びをひらく 学びをつなぐ」総合学習LIVE, L,Love(=愛) I,Innovation(=革新) V,Vitality(=活力) E,Enjoyment(=楽しみ)
総合的な学習に対する考え方,目標(目指すもの)
「学びをひらく」=「自らの問題解決の必要に応じて学んだことを活用したり,発信したり,社会の営みに参画したりして生きてはたらく力を身につける」ためには,各教科・道徳・特別活動枠に収まらない現代の諸問題をテーマとする総合的な場を設定する必要がある。生徒自身の課題意識や探求心に即してテーマを設定し,ゆったりとした時間の中で,生徒が身を乗り出して生き生きと学ぶ場として設定する。そうすることによって必然的に人(生徒同士や教師あるいは学校外の人)と関わる場が多くなり,「学びをつなぐ」=「自分の学びを表現し合い,他の人との関わりの中で更に確かで豊かなものにし,共に学び合うことの意味を見いだす」につなげることができる。
総合的な学習の実践形態
○学習集団は各学年とし,160人の生徒を学年担当教官(6〜7人)全員で担当する。 
○時間は学年裁量の指導計画に沿って,行事を含め,年間30余時間を設定する。
・主に学活や関連教科の時間で行う。
      関連教科の例 〈第1学年〉 国語…キャプション・キャッチコピー
美術…レタリング・レイアウト
・1999年度は50時間程度に増やす予定。
○教師は教科の専門性の壁を越えて協同し,コーディネーターとして生徒の学びを援助する。
○評価は活動への参加状況や参加意欲などを形成的,多面的に行う。
推進組織
各学年部を中心に運営,時間の確保は教務部と連携
文献
教育実践(1998・1999),学習指導研究協議会要項(1999)
コメント(実践から参考になること)
計画や実施の主体になるのは学年部であり,各教科はその学習内容の関連部分についてサポートする,という形である。教科性に重きを置かず,学習課題の柱である「人間」について,どれだけ自主的に考え行動できるかを重視している。生徒の活動は,計画→取材→レポート→発表の形が多く,特にレポート・発表の時間の不足が反省として挙げられている。今後は学年行事に加え,長期休業期間もさらに有効に活用させていくことで時間不足解消を図っている。また,学習の成 果を学校内の発表だけにとどめず,山形市の「まちづくり市民会議」への参加という形で活かし  ている(第1学年)。

 

1.1998年度実践

第1学年 「LIVE in やまがた」 生活の基盤である山形の街を調べる。
第2学年 「思いっきり体験北海道」 北海道修学旅行レポートを作成し,そこで生まれた課題を山形調査活動へとつなげる。
第3学年 1「『気になる樹』のメッセージに耳を傾けて」 山形市周辺にある 「気になる樹」を調査取材・レポートする
2「日本文化の追究」 A禅・B陶芸・C茶道を体験することにより,日本文化に対する意識・態度を育てる。

2.1999年度実践計画

ねらい 「人間」をめぐっての自分の課題をしっかりと持ち,その課題を解決していく学習活動を通して,自分との関わりを意識して自分の生き方を問い直すことができる力を総合的に養う。 
学習の方針 自分と「人間」をめぐる課題との関わりを問い直す体験的で学際的な学習活動
第1学年 「人間」をめぐる課題にふれる
  • 単元「人に学ぶ,人と学ぶ」
  • 身近なところで活躍する人を訪ね,インタビューや共に活動することを通し,その考えや生き方に学ぶ活動。
  • 4つのテーマ「勤労・生産」「福祉・ボランティア」「芸術・文化」「伝統」を設定。
第2学年 課題を追究する
  • 単元「LIVE in やまがた」・「LIVE in 日本」
  • (昨年度から引き続いての)山形市まちづくり市民会議フォーラムへの参加,ポスターセッションによるまとめ。
  • 山形という制限をなくし,他の地域や国全体に関わることを対象に課題を設定。
  • 東京への修学旅行期間に,調査を行う(東京を対象にすることや,比較の対象とできること,情報を収集できることなどを選び出す)。
第3学年 自分自身と課題との関わりを再考する
  • 単元「社会の一員として」
  • 勤労,奉仕活動を通してボランティア精神を学び,自分と社会の結び付きを考える。
  • 自分が行いたいボランティア活動について,調査,計画し,実施する。(7月上旬)
  • 学校行事としての登山活動に,総合学習を加えた活動を行う。