お茶の水女子大学附属中学校の実践事例
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総合的な学習を表すタイトル

総合カリキュラム

キーワード,分類

クロスカリキュラム,学年裁量型,環境,国際理解,国際協力,健康

総合的な学習に対する考え方

自ら判断し,行動できる力を養う。
特に小学校との連携(総合―創造活動)を柱とした教育課程の一部をになうものと位置づけている。

総合的な学習の目標(目指すもの)

生徒にとって「意味ある学び」を創出する。

総合的な学習の実践形態

1コマ(40)30コマ行い,1週間集中実施する・・・教科クロス型
学年の裁量で10コマ程度行い,柔軟に運営する・・・ 学年裁量型

推進組織

1つのテーマ(総合的なテーマ)を,教科の専門的な面から指導する。 (教科クロス型)
学年担当や担任が指導する(学年裁量型)

文献

“児童生徒が自分にとって「意味ある学び」を創出する”教育課程の開発
H10.11. 6 お茶の水大学附属中学校平成11年度教育研究協議会研究紀要
「意味ある学び」をめざして 総合学習先行実践事例集
H10.11. 6 お茶の水大学附属中学校

コメント(実践から参考になること)

小学校との連携をふまえた取り組みであり,未来の小・中・高一環教育構想をにらんだ先行研究である。

 

1.教育課程の全体像と年間授業時数

1.小・中連携の連携から見た教育課程の構成

お茶の水附属中学校が20年にわたって実施している「自主学習」は,生徒が自ら課題を設定し,課題解決学習を行うという点と,課題が1つの教科に限らず広く横断的,総合的な課題をも含むという点においては「総合」との関連が深い。

小学校の「自主学習」が「総合」に位置づけられていることと同じような趣旨である。一方,課題解決の過程で用いる「探求の方法」を生徒が共通に学習し,各教科の学習と双方向でリンクしているという点では「教科」との関連が深い。特に中学校では,発達段階を考慮して,この点を意識したプログラムを組んでいる。

そこで,「教科」と「総合」の両方に関連し,「究極の学びの姿」を追求する領域として「探求」を設定している。

従来の「教科」の捉え方とは違う新しい「教科」としての芽をもち得るという意味も込めて「探求」という領域を設定したのである。

2.教育課程
教科・領域 主たる学習・活動

必 修
(9 教科)
基礎・基本の学習。 学問,文化の継承と創造。
各教科でこそ身につけさせられる力の習得。

選択教科 主に個性を生かした教科学習。 (教科を選択)
一部単位制 主に個に応じた教科学習。 (内容のレベル,時間を選択)
マイ・タイム 自分の学びを選択して学習する。 (一部単位制の導入段階)

自主研究 個性を生かした探求学習。
探求の方法の基礎・基本の習得。


 

道 徳 生きる価値を指向し,選択する学習。
特別活動 社会性や協調性を育成する学習。



学年裁量型 横断的,総合的な課題や今日的な課題の学習のうち, 生徒の興
味・関心に基づいて,学年で自由に裁量して行う学習。
教科クロス型 横断的,総合的な課題や今日的な課題の学習のうち, 教科クロ
スで行う学習。
3.授業時間数

週間コマ数

年間時数

1 2 3 1 2 3


 
 
 
 
 
 
 


 
 

国 語 5 4 3.5 128 103 90
社 会 4 4 3 103 103 77
数 学 3 4 4 77 103 103
理 科 3 3 4 77 77 103
音 楽 2 2 1 51 51 26
美 術 2 2 1 51 51 26
保健体育 3 3 4 77 77 103
技術・家庭 2 2 3 51 51 77
英 語 4 4 4 103 103 103

選択教科 0 0 1 0 0 26
一部単位制
マイ・タイム
2
2
2
2
2
2
51
51
51
51
51
51
探求 自主研究 1 1 0.5 26 26 13

 

道 徳
特別活動
総合学習(学年裁量型)
総合学習 (教科クロス型)

3

1


3

1


3

1


77

26


77

26


77

26

総 授 業 数

37 37 37 950 950 950
2.具体的実践 「教科クロス型」
1.実施方法

・総時間30コマとして1週間の集中実施。(1コマ40分)

例: 10コマもの2テーマ 7コマもの2・3テーマ などの実施が考えられる

・実施期間は10月下旬。
・クラス単位を基準にし,柔軟に対応する。
・実施に関わらない教科は時間調整の対象とする。
2.取り組み内容(平成10年度)
テーマ 関連教科
第1学年 「米作りを中心として」 社会 数学 美術 技術 家庭 (国語)

第2学年
「志賀高原−大地の鼓動」 国語 社会 数学 理科 美術 保健体育 英語
「環境」 国語 社会 理科他

第3学年
「アジアの中の私―音―」 音楽 国語 社会 数学 英語
「健康―○○な私になりたい!

3.具体的実践 「学年裁量型」

参考資料 平成9年度までの取り組みから) (1)これまでの取り組み

1.これまでの取り組み
中学生について (1年生)
国際理解アクティビティー (2年生)
国際協力団体を訪ねて (2年生)

「国際協力の活動についてお話を伺う」

実践・国際ボランティア (1〜3年生)
平和について考える (3年生)
2.具体的実践例

国際協力の活動についてお話を伺う

@活動計画

時数等 生 徒 の 活 動
(準備) 朝終礼
放課後
担任が説明,班会合で訪問先の希望を記入
班長会 訪問先の希望調査
総カリ 2時間 ガイダンス (ビデオによる国際協力活動の説明)
グループごとに分かれ事前学習
(準備) 昼休み 班長会 訪問の際の注意事項,質問事項の確認
総カリ 2時間
+ 放課後
校外学習 (現地解散)
(準備) 放課後 記録提出 → 発表者決定
報告会打ち合わせ,準備
総カリ 1時間 全体報告会 グループの代表による発表会

A校外学習の訪問先

訪問先 活動の概要・主なお話の内容
国際協力プラザ
(財団法人 国際協力推進会)
・外務省の協力を受け,国際協力の学びの場として設置
・資料閲覧,開発教育のVTR,国際協力とは何か
青年海外協力隊 ・日本政府の政府開発援助の一つとして発足。 発展途上国の国づくりを様々な分野で支援
・ゲーム(グローバルビンゴ) 協力隊の活動について。 セネガルでの体験を聞く
シャプラニール
(市民による海外協力の会)
・バングラデシュで農民の相互扶助グループを通じ, 教育, 保健衛生等の活動を支援する
・バングラデシュの農民の生活, 教育援助などの活動について。 国際協力について
地球緑化センター ・中国の砂漠植林ボランティア派遣や日本の森林ボランティアなどの活動を行っている
・砂漠の植林ボランティアについて
曹洞宗国際ボランテ
ィアの会
・インドシナ難民の支援活動の他, タイ・カンボジア・ラオスでも国際協力活動を行っている
・タイ・カンボジア・ラオスでの活動, クラフトエイドについて
JHP・学校を作る会 ・カンボジアに学校を作る活動, ボランティア派遣, 音楽教育や教師育成を行っている
・カンボジアの生活, 活動内容, ボランティアとは何か
ラオスのこどもに絵
本を送る会
・ラオスでの本づくりの支援, 図書館開設支援, 作家や教員の人材育成などを行う
・ラオスの生活, 活動内容, ボランティアとは何か
M ・ジャーナリスト。 東南アジアを中心に活躍
・バングラデシュのVTR, バングラデシュの生活について

B全体報告会

校外学習後,グループごとに発表者を選び,学年全体の報告会を行う。