香川大学教育学部附属高松中学校の実践事例
住 所 香川県高松市鹿角町394番地 郵便番号 741-8082
電 話 087-886-2121 FAX 087-886-2124 http://133.92.58.28/center/secondary/takachu/home.html

総合的な学習を表すタイトル

総合的な新カリキュラム

キーワード,分類

21世紀,新カリキュラム,人間科,共生科

総合的な学習に対する考え方

自ら判断し,行動できる力を養う。

総合的な学習の目標(目指すもの)

地球規模での「共生」ができる,個性的でたくましい人間として「自立」する生徒を育成する。

総合的な学習の実践形態

「人間科」「共生科」で構成する。
学習時間は1年生70時間,2・3年生105時間。
学習は,学級単位で行うが「人間科」では各学年で弾力的に運営する。
推進組織
異なる教科の教員がプロジェクトを組み, 学際的内容をふまえて単元を開発し,指導する。
文献
21世紀に求められる資質・能力の育成を目指して
―教科の内容構造の改変と総合的な新教科の開発―
H11. 5. 27 香川大学教育学部附属高松中学校報告書 (第2巻・第7号)
コメント(実践から参考になること)
新しいカリキュラムづくりへの先覚的な取り組みである。

T.教育課程の全体像と年間授業時数

1.教育課程の全体像

香川大学附属高松中学校では教育課程の全体像を, 21世紀の中葉に求められる資質・能力の視点から次のように考え, 教育目標の具現化を図っている。 

2.2002年からの教育課程案(年間授業時数について)

U.「共生科」

1.「共生科」の学習領域は次の通りである。
  1年生 2年生 3年生
対話・表現領域
探求領域
制御・企画領域 ×
芸術領域
◎はその学年で重点をおく領域, ×はその学年では実施しない。
2.「共生科」のカリキュラム構成は次の通りである。
時間について
総時間数を1年生では35時間,, 3年生では70時間とする。
共生科のカリキュラム構成について
対話・表現領域は, 探求領域及び制御・企画領域の基礎となる部分を多く担う。
制御・企画領域は, 対話・表現領域及び探求領域の上位に位置し, 2年次から活動を始める。

V.「人間科」

1.学習の柱と内容項目

学習の柱「1」: 自然的存在としての人間

a 自然と調和して生きる: 自然のつりあい, 環境問題, 環境保全

b 自然の恵みを受けて生きる: 資源, 食料, エネルギー

c 家族とともに生きる: 親子, 兄弟関係, 家族愛, 高齢化

学習の柱「2」: 社会的な存在としての人間

a 人間社会の中で生きる: 信頼・協力, 差別と平等

b 社会の仕組みの中で生きる: 規則, 自治

c 国際社会の中で生きる: 異文化理解, 国際問題

学習の柱「3」: 理知的存在としての人間

a 知性を高めて生きる: 学問, 芸術

b 心の充足を求めて生きる: 奉仕, 余暇の善用

c 将来を見通して生きる: 進路選択, 職業観

2.運営の方針
年間35時間を目安とし, 共通体験を軸に3年間を見通したカリキュラムを構成する。
学習の柱の学年割りは原則的なものとし, 学年団で生徒の実態に応じて弾力的な運営をす る。ただし, 「社会福祉」関係は各体験活動とし, それぞれの学年で学期を違えて計画し,3年間に渡って実施する。
展開計画を実施前に検討し, 各教科・領域の横断的な指導内容をもつ教材設定をしやすく する。
3.留意点
3年間の活動計画を立て, 見通しをもって活動する。
体験は年間8回程度として, 16時間程度確保する。
学校行事を人間科に関連させ運営する。

W.「共生科」各領域のねらいと単元

対話・表現領域  対話・表現活動を通して, 相互に理解し合う力を育成する。
言語活動(日本語・英語), 非言語活動 ○異文化活動 ○コンピュータ活動
学年 題 材
1 あなたの思いを知るためにはどうしたらいいだろう
2 ディベートに挑戦
2 交流ゲームをつくろう
2 どうしてうまくコミュニケーションできないんだろう
3 学校生活を徹底討論しよう

探求領域 探求活動を通して, 創造的に試行する力を育成する。

学年 題 材
2 健康なからだを求めて
2 身近な疑問を探求しよう
2 経済的で地球にやさしい消費生活をしよう
3 エコポイントでライフスタイルを考える
3 安全な水を求めて
制御・企画領域 コネクティング活動を通して, 自らを制御する力を育成する。
学年 題 材
2 -ゴミ問題からのアプローチ-
2 -環境衛生の視点からのアプローチ-
3 -イントラネットを利用したエネルギー・環境学習-
3 -社会におけるメディアの役割-
3 -国際理解の視点からのアプローチ-

芸術領域  芸術活動を通して感性豊かに表現する力を育成する。
学年 題 材
1 地球市民としての願いの表現 Part 1
1 地球市民としての願いの表現 Part 2

取り組み例