保健体育科:着衣泳の指導

身近な浮き具を利用しての浮身 ウィンドブレカーでも浮き具になります。
 
水の事故から命を守るための水泳指導,それが着衣泳指導です。

あなたの学校でも取り入れてみませんか?

水難事故死の7割以上が着衣のままです。
不意に水に落ちた時に子どもたちは対応できるでしょうか。
水の事故から命を守るためにはどのようにしたらよいでしょうか。
子どもたちに着衣泳を体験させてみませんか。

 アウトドアの華やかな今日,足を踏みはずして川へサブン,岩場を飛んでいて海にドボン,ボー トの上ではしゃいでボシャン,そんな事故が起きたとき,大抵の人は大慌てをし,精神的にパニッ クになります。着衣のまま水に落ちたときは,早く岸に帰ることが大切です。そして,一般的に着 衣泳を経験していない人は,泳ぎやすいように泳ぎながら靴,ズボンや上着を脱ぐ人が多いと 言われている。それは水中での脱衣がどんなに困難であるかを知らないからです。中には, 脱衣することで命をなくしている人も少なくないと考えられます。冬の気温の低い時とか,風の 強い時や脱衣しにくい服装,特にボタンのある衣服や絞ってある衣服を着ている時など,季節 や衣服の状態にも関係しますが,脱衣するよりも着衣のまま浮いている方が助かることが多いは ずです。特に泳力の劣る人が着衣で海や河川等に落ちた時は,着衣泳を指導した経験から絶 対脱衣しないで浮いて救助を待つことがベストであると思います。こうしたことを理解させるため にも『着衣泳』指導が小学校・中学校・高等学校の水泳指導で必要になってきます。また,万一 溺れている人を見たとき,どのような救助をしたらよいかも考えさせておくこともできます。

バケツも浮き具になります。 水に落ちたときのパニックは想像以上です。
 
当校保健体育科では,中学1年生から高校3年生を対象に1992年度から『着衣泳』指導の ねらいをつぎのように考え,取り組んでいる。
1.着衣のまま水に落ちたときの精神的パニック,着衣がもたらす身体への想像以上の様々な制 約等を具体的に体験させる。
2.競技水泳重視の美しいフォームで速く泳ぎ切るという能力をつけるとともに,体力の消耗を おさえ長く水に浮かんでいることが出来る能力,すなわち,自分の命を守る能力を獲得させ, 自分が水に落ちたとき,どのように対処すればよいかを考えさせる。そのためにはまず,浮 き身ができるようにした後に,自分の泳げる泳法の中でどの泳法が合理的であるかを体験さ せる。
3.第三者として事故に遭遇したときにどのようにして救助したらよいかについて,いくつかの 具体的な救助の方法とその限界を理解させる。
4.これらの学習を通して,生徒達に自他の生命の大切さをも考えさせる。
『着衣泳』授業についてアドバイスを下さい。また,資料も多少あります。
 
連絡先 E-mail fusamae@fukuyama.hiroshima-u.ac.jp

保健体育科の教官

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