福山附属・同窓会オリーブ会 合同企画
オリーブの環 
2011


日 時  11月5日(土)10:00〜12:50
場 所  情報教育センター マルチメディアホール
講 師  豊原洋治さん・重政好弘さん・林 克士さん(8回生)
同窓生  M田弘之さん・井上源之助さん・伊藤泰昭さん・甲田惣一さん
牧本幹男さん・水田正教さん・豊田國弘さん(8回生)
対 象  広島大学附属福山中・高等学校4年

【副校長挨拶】
■第1回の卒業生が古希70歳を迎えられた時に始めた「オリーブの環」が回を重ね、今年で第8回を迎えます。この行事の共同企画のパートナーである同窓会オリーブ会からは、今年も会長の天野肇様にお越しいただいております。今年は8回生の番であります。豊原洋治様、重政好弘様 林克士様のお三方にはご無理をお願いしております。多くの方々のご尽力に感謝し、学校を代表して、まず始めにお礼を申し上げます。
毎年、この「オリーブの環」で交差する卒業生と在校生4年生の、その年齢差は54歳。でも、この「オリーブの環」においては、この年齢ギャップが瞬間縮まって、ひとつの環になる。これが「オリーブの環」である。いいですか、この環を、まず縦の環とイメージしてください。もうひとつの環は、横の環です。これを意識するのが「オリーブの絆」。3年前の1年生、すなわち君たちの時から始めた小豆島「オリーブの絆」合宿。オリーブを冠した二つの行事が、今年君達の年から、縦横、初めて交差することになります。
小さかった1年生が植えたオリーブの木は、小豆島で大きく育っています。そして今日、校内にもう一本、8回生のお三方によって、8回生と君達だけの、オリーブの木が植えられる。今日植えるオリーブは、アルベキーナという品種です。もう一本、隣にはルッカという品種を用意しました。オリーブは、だいたいが、一本だけでは実をつけない。近くに異なる品種がないと実をつけない。さまざまな異なる人との交差・交流の中で、耳を傾け思考を廻らして、縦の環においても、横の環においても、多くのことを吸収し、豊かな実をつけるオリーブであってほしい。今日も、そういう一日になる。
これをもって、「オリーブの環」の始まりの挨拶といたします。 (竹盛)

【生徒の感想】

■卒業してから50年以上の歳月を経てもなお母校とのつながり、後輩とのつながりがあるということはすごい事だと思った。オリーブという象徴のもとに、卒業生在校生が附属と結びついている事は、今までの行事を通して自分の中で当たり前の事実のように感じていたが、実際にそのオリーブの環はどういうつながりであるのかという事までは考えたことがなかった。今日、この学校を卒業された3人の大先輩と会い、お話を聞く貴重な機会をいただいて、この機会もオリーブの環がなければ得られないのだと思った。70年という人生を歩んで来られた先輩方の経験を聞くことができる、また、同じ学校を卒業されたという事で、そのお話がとても身近に感じられ、今後にはあらゆる選択肢がある事を実感した。お話を聞いて、今自分が想像している将来と実際に経験する未来は良い意味で大きく違うのではないかと思った。新しい出会いがたくさん待っている。その出会いが将来自分が目指して行くものを変える事もあると聞いて、今後が今まで以上に楽しみになった。今、自分が置かれている状況で精いっぱい努力していきたいと思う。

■講師の先生方は古希を迎えられたとは到底思えないような、逆に元気が頂けるような講演をして下さって、充実した時間でした。お三方には自分自身をさらけ出す、出会いを大切にする、地元を誇りに思う、といったそれぞれの分野で培ったものを、メッセージとして僕たちに渡していただきました。僕は講演の中で二つ気になることがありました。一つ目は、出会いを大切にするということです。これはたぶん最も身近で先生もおっしゃったように気づきにくいものだと思います。先生方に今日講演していただいたのも「出会い」です。50年もの年の差があろうとも「出会い」を意識するだけで僕たちの中に先生方が残るだろうと思うことができました。二つ目は、これからは引き算の時代になるという言葉です。僕は正直、この言葉の意味が100%とらえられていません。大きく時代を見て流れの「大波」にあたる今、様々なものにおいて価値や情報を増やすのは難しく、削減していくことで流れに乗ることもあるのかなと考えましたが、それだけではないような気がします。経験を積んですっきり答えを探していけるように努力しています。充実した時間をありがとうございました。

■今日のお話を聞いて、附属に通っていることを、本当に誇りに思いました。先輩方が附属を卒業してから今まで歩んでこられた人生を聞いていると、「心遣いをすること」「生きている証を感じること」「地元を愛すること」といった、根底にある精神がどれも素晴らしいものだと思えました。それらの精神は、先輩方が附属福山中・高等学校で培ってこられた宝であり、今日、こういう「オリーブの環」という機会に、同じ学校の在校生としてふれることができて本当によかったです。普段の学校生活では、竹盛副校長先生が言われていたように、横のつながりの環しか深める機会がないのですが、先輩方の話を聞き、縦のつながりの環ができたことで、自分を見つめる新しい視野を得た気がします。先輩方を、50年後の自分たちと重ねてみることで、現在という狭い視野で毎日の生活を送るのではなく、自分をもっと先の高いところから広く見つめることができました。そう考えると、日々の生活の中での勉強にしても部活にしても、友達づきあいにしても、何ごとにおいても今までより一層、一生懸命に取り組んでいきたいと、強く励まされました。

■三人の方のお話を聞いて、高校生活、大学生活、仕事、そして生きていくうえで大事なことを学びました。そしてどの方も、積極的に興味のあることに自ら進んで行動していると思いました。特に豊原さんが入社してすぐに上司に自分の意志を伝えたというのは後にご活躍される大きな鍵になっているなと思いました。何事も挑戦していくということが今後の私にとってとても重要になってくると思いました。
そして、「出会い」というものを大切にしていこうと思いました。豊原さんであれば、懇親会でのすてきな上司、重政さんであれば大学の先生、林さんであれば鞆という町と出会うことで今の立派なお三方ができあがっていると思いました。そして副校長が最初におっしゃっていたオリーブの環の横のつながり、また今日のような縦のつながりも一つの出会いであるということを認識しました。この出会いの中で、お互いにきづかいながら成長していくのだと思いました。
私たちはまだ16年しか生きていないので古希を迎えた方々となると、とても偉大な存在です。私たちもいずれ今日の先輩方のように立派になれるように、この会で学んだことを活かしていこうと思います。同じように私たちが古希を迎えた時に話をする人が出てくると思うと楽しみです。

■私は重政さんの「自分の興味があることには、たとえそれがまわり道だとしても進みなさい」「自分が勝負できる土俵をみつけなさい」という言葉が印象に残りました。私は今、大学進学やその先の自分の将来で何をしたいのか少しわからなくなってしまっていました。考えれば考える程「できないのではないか」「そんなことをして意味があるのか」と思ってしまっていました。でも、今日のお話にあったように、たとえまわり道だったとしても、自分のやりたいことを見つけ、進んでいきたいと思います。そして、それが「自分が勝負できる土俵」となるのではないかと思いました。この土俵という点で言うと、今日来て下さった三人の方は、世界的大企業で、また大学教授として、地域と密着してと、様々な土俵で活躍されているのだと思いました。今日は御三方のお話を聴くことができ、本当によい経験になりました。同じこの福山附属を卒業しても、その先は無限にあると思いました。私も「自分の土俵」をみつけたいと思います。

■私はオリーブの環2011を通して「自信」が大切なのだろうと思いました。豊原洋治先生のお話では「金石の交わり」までに至るまでは自分を曝け出す、プライドを捨てること、それらは自分に自信がないとできないことだろうし、重政好弘先生のお話では、人生の証を見つける、つまりは自分の人生を歩むためには自分に自信、こうしたい、ああしたいという先へと進む力必要でした。また林克士先生のお話では、地域へ戻ってくる、地域を活性化させる、そこには自分の地元への自信があるからこそできることなのだと思いますし、時代の流れを掴んで逆らわないためにも、掴んだ流れが間違っていないという自信が要ると思いました。故に自信とは、私たちにとても重要なものであると思うくらい、今私たちに必要なのではないかと思いました。正直に言えば今の私には将来の展望など皆無に等しく、それは自分ができることが見当たらない、自分にできることがないということなのだろうと、今こうしてまとめている間に考えが至りました。そしてそんな私のような人は他にもいるだろうと思います。たぶんそんなことから「今の若者の夢がない」と言われる所以なのでは、と私は思ったりもしています。
今回オリーブの環を通して、私たちは意識していなくても、誰かと繋がりをもっているのだなと感じた。その繋がりはとても温かいもので、大切にしたいものだと思った。

■今日は御三方の大先輩から、今の自分にとって大切なこと、また社会に出てから大切なことなど、本当にたくさんのことを教えていただきました。様々な生き方、考え方、人生観など、「自分の人生」を見つけるために支えになるようなことを学べたように思います。いろいろな経験をされた。それでも基本となる人付き合いの根本、相手を思いやる中での自分自身をさらけ出すということを大切にしているのはすごいことだと思いました。大人になっても、どんな立場の人間になっても、人としての理想を常に高く持って、基本となることを忘れないという精神は、今の私、そして将来社会に出た時の私にとって、忘れてはならないものであると感じました。その場その場を全力で生きる。だからこそ失敗した時に悔しくて、成功したときに嬉しいのだと思いました。社会と個のバランスをとるのは大変なことだとは思うけれど、自分の意志で全力で生きる喜び、新しい自分を作る喜びを感じていける人生にしたいと思います。人生の基本を忘れないよう、私が人としている証を、チャレンジを繰り返して見つけていきたいです。






広島大学附属福山中・高等学校
広島大学附属福山高等学校同窓会 オリーブ会