福山附属・同窓会オリーブ会 合同企画 オリーブの環 2012 ■日時 11月5日(月)10:00〜12:50 ■場所 広島大学附属福山中・高等学校 情報教育センター ■講師 本岡浩子さん・丹下 剛さん・中桐正夫さん(9回生) ■対象 広島大学附属福山中・高等学校4年生 ■副校長挨拶 今年も、オリーブの環の11月5日を迎えました。今年、第9回であります。 古稀を迎えられた9回生の中から、本岡浩子さん、丹下剛さん、中桐正夫さんのお三方にお願いし、お話をいただきます。君たちは、卒業する時には63回生となるのですが、9回生と63回生の掛け替えのない出逢いが、今日はあるのです。 人生70年を生きてこられた方々のお話を、君たちはどのように聞くのでしょうか。それぞれのお話から学ぶことは沢山あると思いますが、それだけではなくて、それを鏡として君たちはそこに新しい自分を映し出し、新たな自己を発見するのだと思います。そのような出会いが、スパークするものがあると思っています。君たちが人生70年を生きた時に、その人生を若い者にどのように語るのか、それを決定づける出会いがもしかしたら今日という日にあったと言える人が出てくるかもしれないのです。 3年前の夏、君たちは小豆島に1本のオリーブの苗を植えた。そうして今年新たに仲間を迎え、3年後には福山附属63回生となる君たちは、今日のオリーブの環を記念して、9回生とともに校内にもうひとつオリーブを植える。このオリーブは、そういう点でまさに掛け替えのないオリーブなのです。君たちが毎日学校に来る時に、その樹を見る度に、今日の出会いは蘇るのだろうと思います。 オリーブの環を通して、我々は福山附属のオリーブの志を受け継いでいくのであります。オリーブの環は、学校と同窓会オリーブ会の合同企画によるものであり、今日も同窓会会長の天野肇様にはお越しいただいております。厚くお礼を申し上げながら、これをもって、オリーブの環2012の開会の挨拶とさせていただきます。 ■生徒の感想 ◇ 特に深く、私の印象に残ったのは本岡さんのお話の中に幾度となく出てきた“多くの人の支え”“学校の支え”の言葉でした。私は今、親・友・先生方・学校など多くのものに支えられて生きている、ということを考えたことはあっても、深く実感したことはあまりありません。支えられていると感じ、ありがたく思う時もありますが、例えば、“学校の支え”と言われても今一ピンとこないのです。これから私は学校生活と受験勉強をこの学校でしていくことになるでしょうが、その過程にしろ、学校を出た後にしろ、私に与えられていた支えをしっかり実感できたらいいなと思います。そしていつか、誰かを支えたいと思うようになった時、それらを思い出しながらその人の力になれたら嬉しいです。 こんなふうに思わせてくれた本岡さんのお話も、今回は触れませんでしたが興味深い丹下さん、中桐さんのお話もきっと、これから私を支えてくれるものの一つになってくれると思いました。 ◇ 第9回卒業生の方達のお話をうかがって全体を通して思ったのが、絶えず何かに挑戦していらっしゃる、ということです。その新しい挑戦は、年齢とか、正しいのかどうかに関係なく、新しい挑戦も今までの70年という人生の中のプロセスとして自然に存在しているのだな、と思いました。 私は、自分のまだ見ない世界に飛び込んでいくことが無ければ、人間としての成長は見込めないのではないか、と思っています。学生の頃だから周りに支えられて出来ることがあります。だから今、私は吹奏楽をやっているし、ピアノも何とか続けられています。中学の頃はアルトをやっていたんですが、今はフルートをやっています。フルートから見る吹奏楽はまた以前とは異なるものの様に感じ、見れていなかった世界に溶け込んだ、と思える時があります。3人の卒業生の方は学生時代、自ら進路を切り拓いていき現在に至っておられると思うのですが、まだ見えない将来を切り拓き成長していくためには、勉強でも不断の努力、挑戦が必要だと思いました。まずは目の前のことから、中間・進研と終わっても、気を抜かずに勉強を頑張ります! ◇ 「道が決まっていなければ悩むだけ悩めばいい。でも決めた道は努力で進むしかない。」皆さんが贈って下さった言葉で印象にのこったものです。本岡さんや丹下さんは悩んででも自分の道をきりひらいておられ、今の生き方について悩んでいる私と似ている所があると思いました。中桐さんは“天文”と言う分野をつき進んでおられ、自分が何故天文をやるべきかなど、悩んでいない所が自分にはない所ですごいと思いました。私も努力に勝るものはないと勝手に思っています。本岡さんが言われていた“偶然”とはその出来事が終了した時でこそ“あっ、あれは偶然だったんだ”と思えるのだと思います。しかし、本岡さんは、“偶然”がどこかで必然的に自分にふりかかってくるものだと思ったことはないでしょうか。本岡さんが音楽を、丹下さんが医学を、中桐さんが天文を人生のかけがえの無いものとしているのは「偶然」ですか? 私のこの考えは誰にも正誤は分からないものだと思います。努力する過程が、偶然が必然へとかわっていったのではないかと思いました。皆さんのお話から、これからも努力をつみ、少し先の自分に自分の進んだ道が誇れるようにしていきたいです。また、自分を支えてくれた人々へ感謝していきます。 ◇ 今日のお話を聞いて、今、私が持っている夢を、どうしても叶えたいという気持ちが強くなりました。私の夢は、音楽でも、医学でも、天文学でもないのですが、先輩方が私と同じ年頃に努力をし、悩み、その後の人生でやりたいことをされているということを聞き、とても充実しているのだろうと思えたからです。私は将来、外国語を学び、外国で買い付けをする仕事がしたいです。一生働くのもいいと思っていたけれど、丹下さんのお話を聞いて、結婚して子供を産むのも必要だと思いました。54歳も年上の先輩方に、こうしてお話を聞けたことは非常にすばらしい体験であり、同時に、同じ学校に通っていた生徒である皆様に会うことができたことは不思議なことにも思えます。 今日のお話を心に留めて、これから大学受験やその後の人生を、がんばって生きていけたらと思います。たくさん失敗して、少しでも成功できたらいいなと思います。今日は貴重なお話を本当にありがとうございました。 ◇ 印象に残ったのは本岡さんの「決めるまではたくさん迷って良い」という言葉です。進路や、部活で決めなければいけないことがある時、迷って、とことん迷いつくしてから1つに決めよう!と思いました。迷って選んだものなら、言い訳できないので。 そこで言い訳をしてしまったら、選んだ「自分」を否定してしまうことにつながるのでは?と考えました。 また、中桐さんのプリントの最後にあるように、70歳になった時、「自分の人生は楽しかった」と私も言えるように、いろんなことを経験し、「今を大切に」していきたいです。なんとなく1日を過ごして、それがたくさんつみ重なると、人生も「なんとなく過ごした」という結果になったらおもしろくないし…。今、やるべきこと・やりたいことを一つずつこなして、いい人生にしたいと思います!! ◇ 今日一番思ったことは「決断」という言葉の意義です。決めて断つという文字通り「断つ」ことの重要性を今日は一番感じました。本岡さんは事あるごとに偶然という言葉を用いていましたが、それは必然だったのじゃないかと思います。なぜなら本岡さんが偶然に出会う前には必ず決断があったからです。音楽学を目指すことも自分が好奇心が強く、ずっと続けるよりそちらを優先する人であるということを認める決断がありますし、大学に推薦されたのも「西洋音楽史を学ぶ」という決断がありました。丹下さんの場合もそうで、広大医学部に行く決断をして、その後東大大学院に行かれるという決断をした結果教授に出会われたのではないでしょうか。 私は今までただ断ち切るのみには意味がないと思っていました。断つということは自らのかせを外し、軽くなる―それだけなんじゃないかと思っていましたが、今回の講義にあたって、断つことで目の前の道が一本道になる。それを走り抜ける。そういった断つことの意味を知らされ、自分が断つ事が本当は何を意味するのかを思考停止せずに考えていこうと思いました。 ◇ 私も先輩方のように自分らしく人生をきわめて、オリーブの一員として、自由に大きく成長したいと思いました。まさに先輩方は私のthe目標だと思いました。 今日お話をうかがって、上手く言葉にできないのですが、自分の中で言い聞かせている事を実感したというか安心できたというか、信じられるようになったというか、そんな感じです。いつも全力で生きて必死に悩んで自分を信じて尽くす―
分かってはいても、不安でいっぱいで後ろ向きになって結局中途半端で後戻りになってつらくなってテキトーになって、つい逃げ出したくなることがあります。自由には後戻りできてしまう可能性を持ち、それが逆に自分を苦しめてしまうことがあります。でも今日のお話を聞いているうちに、ちょっとずつ心を前向きに戻す力が湧いてきた感じがしました。1人でそんなにせっぱつまってグダグダくよくよするより、あせらず、悩む時はしっかり悩み通す。それで自分のやりたい事を決めたら、ひたすら進む。「悩んだのだから」という自信を持つ。今はとことん考えようと思いました。あせらず悩もうと思いました。 ◇ 本岡さんのお話についてメッセージを書きたいと思います。 僕は音楽には全く興味が無くて縁もないので、最初はただお話を聞いていただけのようであったけれど、本岡さんが附属にいらっしゃった頃に感じていたことや、思っていたこと―
それは迷いやいくらかの劣等感も含めてだが― に強く共感した。僕自身もあまり人前に出ていかない、というのも自分の考えていることへの他人からの目線を気にしてしまい、それを結局かくしてしまうということだ。それは僕の場合、音楽とは直接は関係ないけれども、実際的なこととして、岐路に立たされたときの「迷い」ということに関する本岡さんのお話は今の僕たちにとって「生の話」だと思った。たくさんある中で迷っていることもまた大切だと実感したし、それを選んだ後はそれに向き合っていかなければならないということも将来のこととして感じた。 「迷い」について特に時間をさいていただいたことはとってもありがたかった。 ありがとうございました。 ◇ 今回、3人の卒業生の方からお話をうかがい、全てに共通して私が感じたのは毎日にやりがいを感じながら生活しているんだろうな、ということでした。やりがいを感じて生活する、というのはとても楽しいだろうし、充実しているんだろうと思います。 学生の間は毎日同じようなことのくり返しで、直接やりがいというものを見つけるのは難しいけれど、大人になって、より多くの人のために働き、多くの人に対面して生きていくと見つけていけるものなのかな、と思いました。お話にもあったようにやりがいのある職業を見つけるまでは大いに迷って、その後努力すべきなんだと感じました。 お話をして下さった3人の方はとても立派な大人の方で、将来の私もその姿に近づきたいな、と思います。自分にとって最高の目標をもって、少しでもまともな大人になれるように、また、毎日の生活にやりがいを感じることのできるように今、という短い時間を大切にしようと思いました。今回は自分の周囲以外の人の人生談を学ぶ、良い機会になりました。 ◇ 私は皆さんのお話から、やはり「今」が大切なのだなと思いました。今なら将来の選択肢がいくらでもあるし、選ぶのも自由です。だから悩めるのは幸せなのだなと思いました。また、決めてからはもうそれに向けて努力をするしかないというのもよく分かりました。私は特に本岡さんが度々おっしゃっていた「先生や先輩の意見で」というのを聞いて、自分に見えていないものも見ているであろう先生や先輩の助言はとても大切なのだなと思いました。そういう人たちを通じて自分の将来というのは決まっていくのだろうなと思いました。自分で決められなかったり悩んだりしたら、相談するのが一番だな、と実感しました。また、人がこうだから自分もという考えを無くさないといけないと思いました。私はそういうことがよくあって、流されてしまうタイプなので、自分の意見をしっかり持って行動していきたいと思いました。でも何より、皆さんすごく元気で活き活きとしてらっしゃったので、自分も将来は元気で充実した生活が送りたいなと思いました。今日は本当に勉強になりました。 広島大学附属福山中・高等学校 広島大学附属福山高等学校同窓会オリーブ会 |
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