美術科教育研究(表現する道具(素材)としてのコンピュータ)

コンピュータグラフィックスを活用した授業の実践

不思議な立体を創る(3Dグラフィックツールの活用)

題材のねらい

コンピュータの画面に広がる架空の3次元空間に、プリミティブな形態を構成し、それを自由に変形して不思議な立体を創作する。試行錯誤をしながら、アイデアに富んだ美しい構成を工夫し、さらに、色を設定した後、コンピュータにレンダリングさせて完成する。これらの作品制作を通して、創造力を培い個性的な表現力を伸張する。

作品集  授業作品18点を鑑賞できます。

作品制作のプロセス

モデリングデータ
(形態を創る)
レンダリングした画像
(色を指定して陰影を計算させる)
作品例1  →→ 
作品例2  →→ 

使用したソフトウェアー 「幾何公園」

「幾何公園」は3次元モデリングツールです。簡単なレンダリング(シェーディング)機能も持っています。

「幾何公園」は、通産省情報処理振興会(IPA)の教育ソフトウェアの一つとして、(株)リコー によって開発されました。
教育機関に対して、1995年9月から無料で公開されています。
当校では100校プロジェクトの企画として「3DCGコンテスト」に参加して、「幾何公園」の提供を 受けました。(CGコンテストには作品制作が間に合わず、出品できませんでした。)

「幾何公園」にはホームページがあり、マニュアルなどが公開されています。また産業出版社から解説本も出版されています。
幾何公園URL  http://pegasus.sfc.keio.ac.jp/geopark/tutorial.html
3DCGコンテストURL  http://pegasus.sfc.keio.ac.jp/geopark/contest/index.htm

学習指導案

学習
段階
主な学習活動 時間 指導上の工夫
導入 (1)3Dのコンピュータグラフィック スの作品例などを鑑賞する。

3DCGを活用したデザインワークの事例や参 考作品などを紹介し、興味関心を持たせる。

(2)ソフトウェアの基本的な操作方法 を体験して慣れる。

作品制作のプロセスを、簡単な立体構成の実習 を体験しながら理解させる。

・コンピュータやソフトウェアーの使用が  初めての場合は、簡単な操作マニュアル  を作成しておく。例えば、ソフトの起動 と終了、データの保存と読み込み、マウス による描画など。
構想

表現
(1)モデリング画面に直方体、球、円 錐、円柱などの基本形態(プリミティ ブ)数個を表示(入力)する

(2)入力したプリミティブを移動する 。適当なサイズに変形したり、回転移 動しながら構成(組み合わせ)する。

TVモニターに教師用のパソコン画面を投影し 、操作と技法を提示しながら説明

プリミティブの数は多く入力させない。        (コンピュータの能力による)

移動・変形・回転などの操作を繰り返して構成を 工夫する。(無造作に構成しても面白い立体が できあがる)

(3)形態が完成したら物体の色を決め る。

(4)物体を見つめるアングル・視点を 決め、レンダリング(シェーディング) する。

(5) (1)〜(4)を繰り返しながら制作 する。

レンダリングは時間がかかるため、授業時間内 の適切なところで行わせる。

しだいに自分の意図する立体形態を視覚化する ように工夫させる。

整理
鑑賞
○仕上がった画像データを保存する。
○互いの作品を鑑賞する。
3Dコンピュータ造形の特性を認識させる。
自分なりの個性的な表現ができたか、ど うのような点を工夫したのか書かせる。

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