1.学校の概要

(1)学校教育目標

 広島大学附属福山中学校(以下当校)は,自由・自主の伝統的校風の中で,生徒の個性を尊重し,学力を伸ばし,自らの進路を主体的に切り拓いてゆく生徒の育成を教育方針として,創立以来教育実践を続けてきた。また,昭和37年度より中・高6カ年一貫教育を実施し,教育研究の面でも先導的な実践を重ねてきた。中・高にまたがるカリキュラムの構成や総合的な科目の研究,マルチメディアによる授業の構成などが研究の内容としてあげられる。平成7・8年度には「環境のための地球学習観測プログラム(通称:グローブプログラム)」モデル校として研究を行うなど,近年は環境教育とインターネット利用の研究に力を注ぎ,平成9・10年度は「環境データ観測・活用事業(通称:アイルネット)」モデル校として実践を重ねている。

 

(2)教員の構成,学級数,生徒数(平成10年度)

当校の教員構成,学級数,生徒数は,表1に示すとおりである。

表1 当校の教員構成,学級数,生徒数

教員数

国語

社会

数学

理科

保健体育

家庭

技術

芸術

英語

養護

56名

8名

8名

8名

9名

6名

2名

1名

4名

8名

2名

中  学  校

高 等 学 校

学 年

学級数

生徒数

1学年

122

2学年

122

3学年

121

4学年

202

5学年

201

6学年

200

 

 

 

 

(3)学校の沿革および地域の自然と文化の状況

 当校は昭和26年に広島大学教育学部の附属校として成立した学校である。現在は広島大学附属学校部に所属して,広島大学の学生の教育実習を担当し,また主として教育学部との共同による実践的研究や文部省の研究指定校などとしての先導的研究を推進している。

昭和48年,福山市中心部の緑町から,福山市東部の丘陵に位置する春日町に移転した。移転当初は,校地が山を切り開いた造成地であったため緑が少なかったが,その後の植樹や樹木育成の努力により,現在では緑にあふれる学校になっている。また,福山市の花であるバラの栽培に力を入れ,校内のバラ園は福山市のバラ祭りでたびたび賞を受けている。

製鉄所を中心として発展してきた福山市は,高度経済成長の時期の公害問題を乗り越え,環境問題に積極的に取り組む街づくりを行っている。市民の環境に対する意識も高く,当校の生徒も環境学習にきわめて熱心に取り組んでいる。