トーベ・ヤンソン 「ムーミン谷の夏まつり」1954 |
オッティリア・アーデルポリ 『王子たちのアルファベット』1893 |
ドーレア夫妻 「オーラのたび」1932 |
この展覧会は、ムーミンをはじめとする北欧の絵本原画に焦点をあて、子ど もたちを魅了するみずみずしい感性の源泉をたどります。
まず、スウェーデンのオッティリア・アーデルポリ。『王子たちのアルファベ ット』(1892年)のすっきりとした配色と洗練された画面の中からは彼女の自然 に対する思いやりと子どもたちへの優しい眼差しを感じとることができる でしょう。
次にエドガーとイングリのドーレア夫妻。二人は世界中を旅しながらイン グリの故郷ノルウェーを舞台にした『オーラのたび』(1932年)などで北欧の 心を伝えます。
そしてフィンランドでは、『ムーミン谷の夏まつり』(1954年)を始めとするム
ーミンシリーズで有名なトーべ・ヤンソン。
ムーミン谷という空想の社公に生き
き生きと描き出される妖精、ムーミンー族は、彼女の作家としての愛と勇気
を打ち出す姿勢と、画家としての想像力がひとつとなり、多くの人々の心を
捉え続けています。
この作家たちに共通することに、北欧の神秘的な自然への畏敬、そして
その自然と人間が共存する素晴らしさを描きだしたことがあげられるでしょ
う。彼らが子どもたちにあたえ続ける大きな夢。それは、子どものみならず
夢を忘れがちな大人の心にもきっと何かを語りかけてくれるはずです。
作品点数約200点。こころゆくまで、北欧の絵本画家3人の夢の世界をお楽しみ
ください。