ふくやま美術館/終了した展覧会
特別展
- モーリス・ユトリロ展 MAURICE UTRILLO
- 期間:1996年2月24日(土)−−3月31日(日)/月曜休館
- 開館時間:午前9:30−−午後5:00
- モーリス・ユトリロは、画家のモデルから女流画家とな
ったシュザンヌ・ヴァラドンの息子として、1883年パリに
生まれました。少年時代から酒癖と孤独に苛まれ、アルコ
ール中毒の対症療法として、絵画を制作し始めました。ユ
トリロは、正規の美術教育を受けたことはありませんでし
たが、モディリアー二やパスキンらエコール=ド・パリの画
家たちと交遊し、モンマルトルの裏通りを徘徊しながら、
知的で静かな独自の画風でパリの情景を描き続けました。
初期の「モンマニー時代」には、街の情景や田舎の家並
を、繊細な筆触と、暗さの中にきらめくような輝きを持つ
色調で描いています。1909年から1914年頃は、白を基調に
した重厚なマチエールで教会や街路を描き、最も重要とさ
れる「白の時代」を迎えました。硬質の色調が、画面に孤
独と憂愁の影を漂わせ、詩情溢れる画風がユトリロの名を
不朽のものとしました。その後「薔薇の時代」と呼ばれる
華やかな時期を経て、絵画史上に流派や理論を超えた個性
を確立したのです。
本展は、モーリス・ユトリロ協会会長であるジャン・ファ
ブリス氏の監修により開催され、ユトリロの生涯に渡る油
彩画、約60点の作品によりその芸術を展観いたします。
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