狩野派筆「松鶴図屏風」16世紀後半 |
狩野派筆「琴棋図屏風」16世紀半ば |
魚屋北渓画「春磐戸・其二」1825摺物 |
狩野派(永徳筆か)「老松図屏風」16世紀後半 |
土佐派「貴人,女」17世紀・扇面 |
土佐派「雪柳,椿」17世紀・扇面 |
(C)The Frank Lioyd Wright Foundation |
アメリカの生んだ世界的建築家フランク・ロイド・ライト
(1867-1959)が、はじめて日本
に来たのは1905年(明治38年)でした。1893年
のシカゴで開催された万国博覧会の日本館「鳳凰殿」
に触れて以来、ライトは日本に憧れてい
ました。このとき、全国を精力的に視察し、浮
世絵の収集もはじめました。以後、日本に深く
関わるようになり、福山市出身で明治・大正期
を代表する建築家武田五一とも深く交流し、
1916年、武田の編集によりライトの作品集を日
本でも出版させました。1923年には旧帝国ホテ
ルを竣工させることにより日本人にも身近な建
築家となりました。
ライトは建築家として成功していくにしたが
い、日本美術の収集をますます進めていきまし
た。その膨大なコレクションの一部がメトロポ
リタン美術館やボストン美術館などに収蔵され
たことは、よく知られてますが、現在、フラン
ク・ロイド・ライト財団には、まだ数千点に及
ぶコレクションが残されております。その美術
品の調査が日本の専門家の手によりここ4年間
にわたって行われ、美術的価値の高い傑作が数
多く発見されました。とくに屏風に関しては詳
しい調査と並行して徹底した修復も行なわれて
きました。それらのうち、桃山から江戸初期に
かけての狩野派の屏風は特筆すべきもので、「元
信」印の≪琴棋図≫、狩野元秀の≪源氏物語図≫
や狩野山雪の≪雪松図≫などは、日本絵画研究
に新たな一石を投じるものです。さらに、桃山
美術の巨匠・狩野永徳との深い関係を示唆する
≪老松図≫の出現はまさに衝撃的といえるもの
でしょう。
本展は、日本をこよなく愛した偉大な建築家
が生涯をかけて収集した”幻の日本美術コレク
ション”を、一堂のもとに鑑賞することのでき
るまたとない機会となることでしょう。
■出品内容 出品は、狩野派の屏風絵を 中心に、扇画、摺物さらに帝国ホテルの設計 図など約100展。