かたくり

和名:片栗(かたくり)
学名:Erythronium japonicum Decne. (ユリ科)
万葉:かたこ(堅香子).
日本各地の温帯から暖帯域の山野にはえる多年草.早春,1本の長い花茎の先端に,6枚の反曲した淡紫色の花が咲く.葉は2枚.
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 もののふの 八十(やそ)娘子(おとめ)らが 汲(く)みまがふ 

          寺井(てらい)のうへの 堅香子(かたかご)の花

大伴家持(おおとものやかもち) 『万葉集』巻十九4143

 たくさんのおとめたちが水くみににぎわっている寺の井戸のほとりに咲く、このカタクリの花。


 カタクリは早春につつましやかな紅紫色の可憐な花を咲かせます。5月〜6月に地下の鱗茎を掘って、石臼で砕いて水を加え、木綿袋でこして乾燥させて澱粉をとります。これが正真正銘の片栗粉で、上質のものがとれます。一般に片栗粉と称して売られているものはジャガイモやサツマイモの澱粉です。

 主に風邪や下痢や腹痛のあとの滋養にかたくり粉をといて食べます。また、早春に2枚出た葉は、薬草料理の筆頭に数えられ、古くから賞味されていたようです。しかし、現在は絶滅するおそれがありますから、採取することはできません。(食用)

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katakuri.jpg (19313 バイト) 校内分布図:は植物の生育場所。