ききょう

和名:桔梗(ききょう)
学名:Platycodon grandiflorum A. DC. (キキョウ科)
万葉:あさがほ(朝顔).
北海道西南部から琉球にかけての山野にはえる多年草.夏から秋にかけて,青紫色をした大形の鐘状の花を開く.花弁は5裂し,茎の高さは1m内外.
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 朝顔は 朝露負(お)ひて 咲くといへど 

        夕影にこそ 咲きまさりけれ

作者不詳 『万葉集』巻十2104

 朝顔は朝露をうけて咲くっていうけど、夕方の光の中では、それよりもっと美しく咲くんだなあ。


 あさがお(キキョウ)は、山上憶良の旋頭歌に詠まれている秋の七草の一つです。

 上記の歌のように夕方の光の中でこそ美しく咲いているとすると、現在のアサガオではなくて、キキョウであろうというのが定説になっています。

 キキョウは重要な薬用植物です。6月〜7月頃、根を掘って天日乾燥し、去痰や化膿性のはれものに処方します。また正月を祝う屠蘇(とそ)の材料としても使用されます。(食用、薬用)

 「あさがお」の正体は?

 どの植物を「あさがお」と呼んだのかについては、どうも時代によって異なるようで、諸説ありますが、どうやら、万葉の時代には「キキョウ」のことを指していたのが、日本にムクゲが渡来した頃から、朝咲く美しい「ムクゲ」の花を指すようになり、そしてさらに平安時代初期に、現在の「アサガオ」を指すようになったというのが通説のようです。wpe18.jpg (16698 バイト)

 『源氏物語』の「朝顔」の巻の「あさがお」は、多くの『源氏物語』の注釈書では「槿」の字を当てて「ムクゲ」であるとしています。しかし、朝顔の君から源氏への返歌である「秋果てて霧のまがきにむすぼほれ(からまりあって)あるかなきかにうつる朝顔」から考えると、これは「ムクゲ」ではなく、現在の「アサガオ」だということになるでしょう。

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kikyou.jpg (19275 バイト) 校内分布図:は植物の生育場所。