さねかずら

和名:実葛(さねかずら).別名:びなんかずら
学名:Kadsura japonica Dunal (モクレン科)
万葉:さなかづら(さな葛).
関東地方から琉球にかけての山野に生育し,また植栽されるつる性常緑木.夏に下垂する淡黄白色の花を開き,秋に紅く熟する.
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あしひきの山さな葛(かずら)もみつまで

             妹(いも)に会はずやわが恋ひをらむ

作者不詳 『万葉集』巻十2296

 山のさなかづらの葉が色づくまで、妻に逢わずに私は恋い続けるのだろうか。

wpe11.jpg (14568 バイト) 熟した果実


 万葉集に詠まれる「さねかずら」は、現在も同じ呼び名で親しまれている数少ない植物です。秋に真赤に熟した実は、菓子の「かのこ」にそっくりで、とって食べたい衝動にかられます。

 枝や葉をこまかく切って水につけておくと、粘質物を出します。これを抽出して整髪用に使用したので、「美男葛(びなんかずら)」の名前がついたといわれます。

 実を天日乾燥し、咳止めに煎じて服用します。また、ホワイトリカーに漬けて強壮用に用います。(薬用、整髪料)

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sanekazura.jpg (19338 バイト) 校内分布図:は植物の生育場所。