せ り |
和名:芹(せり) |
学名:Oenanthe stolonifera DC. (せり科) | |
万葉:せり(芹). | |
日本各地の湿地や水田などに広く生育し,栽培もされる多年草.高さは30cm前後で,夏に直立する長い花茎の先に小形の白い花を多数つける. | |
ますらをと 思へるものを 太刀(たち)佩(は)きて 可爾波(かには)の田居(たい)に 芹(せり)ぞ摘(つ)みける 葛城王(かつらきのおおきみ) 『万葉集』巻二十4456 あなたは勇ましい男性だとばかり思っておりましたが、太刀を腰につけたまま可爾波(かには)の田んぼで私のためにせりを摘んでくださったのですね。 |
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宮中では初子(はつね)の行事が行われ、貴族や女官たちが、若菜を摘んで食べる遊びも行っていたようです。民間でも、野に出て若菜を摘んで祝いました。セリは、春の七草の筆頭にあがっていますが、万葉時代には、まだ春の七草なる呼び名はなかったと思われます。 セリは、狭い所に密集して生えているので、そのさまをせり合っていると表現し、「セリ」の名前がついたといわれています。 セリは、正月に七草粥(ななくさがゆ)に入れることもありますが、一般にはおひたし、油いため、汁の実などにして食べます。よいかおりと歯ざわりの良さが好まれます。(食用) 【春の七草】 せりなづな ごぎやうはこべら ほとけのざ すずなすずしろ これぞ七草 作者不詳 |
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校内分布図:●は植物の生育場所。 |