つ げ |
和名:黄楊(つげ).別名:アサマツゲ,ホンツゲ |
学名:Buxus microphylla Sieb. et Zucc. var. suffruticosa Makino(ツゲ科) | |
万葉:つげ(黄楊). | |
関東以西の暖帯域の山地に生育し,また庭に植栽される常緑低木.高さ2m内外で,成長は遅い.春に淡黄色の小さな花が葉えきに開く. | |
君なくは なぞ身装(よそ)はむ 櫛(くし)げなる 黄楊(つげ)の小櫛(おぐし)も 取らむとも思(おも)はず 播磨娘子(はりまのおとめ) 『万葉集』巻九1777 あなたがいらっしゃらなかったら、なんで身の装いに構いましょうか、櫛箱にあるつげの小櫛も手に取ろうとも思いません。 |
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葉が層をなして密で、次々とついているので「ツゲ」という名がついたようです。 万葉集に詠まれている歌は、いずれも櫛に関連しています。 ホンツゲは材質が極めて堅く、緻密で粘りがあるので、細工ものの材料として最も高価なものです。伊勢神宮に近い朝熊山のものが有名でアサマツゲと呼ばれ、櫛に加工されて伊勢参りのみやげものとして売られました。 昔は家に女の子が産まれると屋敷に桐の木を植えて、お嫁に行くときタンスを作ってもたせたという話がありますが、ツゲの木を植えて、お嫁に行くとき売ってお嫁入りの経費にしたという話もあります。 定規、製図機械、測量用具、精密機械の木部、印材、算盤玉、将棋駒などに用いられています。(櫛、印鑑材) |
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校内分布図:●は植物の生育場所。 |