つばき

和名:椿(つばき)
学名:Camellia japonica L. (ツバキ科)
万葉:つばき(椿).
本州から九州にかけての海岸近くの山林に生育する常緑高木.暖帯の照葉樹林を構成する代表的な樹種.早春,5枚の花弁をもつ大きな赤い花をつける.
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 巨勢山(こせやま)の つらつら椿(つばき) つらつらに 

            見つつ偲(しの)はな 巨勢(こせ)の春野を

坂門人足(さかとのひとたり) 『万葉集』巻一54

 巨勢山の椿の並木を、つくづくと見入りながら偲ぼうよ、椿の花咲く巨勢の春の野を

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 万葉集に歌われているツバキは、日本古来のヤブツバキであろうと思われます。ヤブツバキは、半開きの状態で小鳥の訪問を待っているように見えます。花の基底部に多量の蜜を分泌しますので、メジロが群をなして蜜を吸いに来ます。鳥媒花の典型例です。昔は、子どもたちも花をとって蜜を吸ったものです。ツバキの花は食用にもなります。ツバキも古くから園芸品種がたくさん出ています。

 種子からはツバキ油をとり、頭髪用、朱肉用、薬用にしていました。伊豆七島ではたくさんとれ、大島のツバキは特に有名です。思わず、都はるみの歌う「アンコ椿は恋の花」(星野哲朗作詞・市川昭介作曲)を口ずさみます。(整髪料、細工物)

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tsubaki.jpg (19864 バイト) 校内分布図:は植物の生育場所。