つゆくさ

和名:露草(つゆくさ)
学名:Commelina communis L. (ツユクサ科)
万葉:つきくさ(鴨頭草).
日本各地の路傍や荒れ地にはえる1年草.茎は地面をはい,その後斜上する。夏の朝,青色まれに白色の花が開くが,花はその日のうちに閉じる.
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 月草に 衣そ染むる 君がため 

        斑(まだら)の衣 摺(す)らむと思ひて

作者不詳  『万葉集』巻七1255

 月草で衣を染めます。あなたのためにまだらの美しい衣を染めようと思って。


 万葉集に詠まれているのは、いずれも染料にかかわる歌です。「ツユクサ」は「着く草」の意で、染料にするという習慣をあらわした名前です。そしてまた「ツユクサ」は、朝露とともに咲き、露が消えるころにはしぼんでしまう花の状態をいったものだとも思われます。男女の恋のうつろいやすさをつゆくさにたとえることにもなります。

 ツユクサの青く澄んだ色素は水に溶けて流れるので、昔から友禅染の下絵を描くのに利用されています。

 幼葉は茹でておひたし、みそ和え、汁の実にします。茎や葉の乾燥したものは、利尿剤として煎服します。(食用、薬用、染料)

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tsuyukusa.jpg (19714 バイト) 校内分布図:は植物の生育場所。