2 中高一貫教育のあゆみ
中高一貫教育は、指導内容の配列を変えるだけでなしうるものではない。多くの例が示すように、高等学校の学習内容を中学校へ移行するということにおちいりやすいいが、当校では、学習は6年間で完成させるものであって5年間で終えるものではないと考えた。まず教師と生徒との意識の中から、中学校と高等学校との区別をとりさることから始まった。校内運営、生徒指導、クラブ活動などあらゆる教育活動が中高一体のものとしてすすめられた。このとき中学1学年から高校3学年までを1学年から6学年としたのである。そして、発達段階に応じて3区分し、教育第1部(1学年と2学年)、教育第2部(3学年と4学年)教育第3部(5学年と6学年)として、3教育部がそれぞれ目標を設け運営することとした。
現在の運営組織図
1976年から1978年の3年間、「高等学校の、主として低学年において、中学校教育との連携を図るため、教育内容の一貫性、継続性を考慮した総合的な科目の導入を図る教育課程の研究開発」を行った。生徒にとって「人間」として必要なものは何かという視点から、中高一貫教育で中高の接点における教育を研究し、4学年で実践した。「理科 人間を中心においた自然の理解『人間の科学』」教科における多様な科目のカリキュラム構想の総合化、「国語 総合学習『言語』」教科をこえた諸分野の指導体系の総合化、「英語 総合英語」教科における目標・指導内容および方法の総合化、を研究したものである。
当校の「中等教育 研究紀要」にも、中高一貫教育の研究が記されている。特に第9巻(1965年)、第10巻(1967年)は中高一貫教育を主題としたものであった。「中等教育 研究紀要」は1971年以後は毎年出されてきたが、各教科の中高一貫教育の実践が著されている。特に、保健体育科では教科全体で継続して研究してきている。