家庭科の学習は、身近な生活に関わる内容を取り上げ、知識の習得に終始することなく、生活技術の習得や実践的態度等の育成、さらに、家族や周りの人々との関わり、自然との共生共存の中で“生きる力”を身につけると共に、創造性・協力性・達成感等豊かな心を育むことをも目指している。
今日、多くの生徒たちは知識偏重で生活体験に乏しい傾向にある。また、少家族でかつ個々の生活時間がずれてコミュニケーションの時間が少ない。従って、家族の絆や生活技術・文化の伝承は希薄化し、他を思いやる気持ちも育ち難い。こうした状況のもとでは、家庭科教育の果たす役割は大きく、重要である。
そこで、家族のコミュニケーシヨンや生活技術、生活の知恵、生活文化等の伝承が行われるきっかけづくりを家庭学習課題として計画し、実践を試みている。例えば、
●(中1)家庭の仕事(そうじ、せんたく等)の手伝い
●(中2)三日分の食事作りと手伝い
●(中3)おせち料理(由来や食材の意味)について調べたり、おせ料理作りの手伝い
●(高1) 高齢者との積極的な対話、聞き取り調査
●(高2) 乳幼児とのふれあい体験、ホームプロジェクトの実施 等々である。
中1〜中3では、家族の人に尋ねながらの作業体験によって、家族と自分との関わりを考えたり、生活技術・知恵を学び、家庭の風習・文化の受け継ぎを図って、家族とのコミュニケーションをとるきっかけづくりを願っての課題である。高1及び高2では、日々の生活で高齢者や乳幼児と接する機会が全くないか、たとえあっても深く話し合ったり、世話をしたりということの生徒の思いは少ない。そこで、高1では、高齢者との対話から、昔の生活の様子を知って、気持ちを理解し、関わり方を考え、さらに自分の生き方をも考えていくきっかけとなるように課題を設ける。高2では、乳幼児とのふれあい体験学習を通して、乳幼児の特徴を理解し、望ましい児童文化財を考え、創作したり、接し方や、親(大人)としてこどもたちにどんな環境をつくり、残していけばよいか考える機会としている。
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