1999年度公開教育研究会
研究会全体テーマ
自ら学び自ら考える力を育む教育課程の創造(一年次)
− 教科学習と総合的な学習、学びの拡がりとつながりを求めて −
期日 1999年9月24日(金)
主な内容
◆午前:公開授業(中学校・高等学校)
・教科学習(国語・社会・数学・理科・保健体育・音楽・技術・英語)
・総合的な学習(中学校)
◆午後:分科会・各教科および総合的な学習
◆講 演
講師 梶田叡一(京都ノートルダム女子大学学長)
演題: 「生きる力」の育成と総合的な学習
◆日程:1999年9月24日(金)
受 付 9:30〜10:00 公開授業T 10:00〜10:50 公開授業U 11:10〜12:00 昼食・休憩・施設公開 12:00〜13:10 分科会(各教科および特別部会) 13:10〜16:00
※研究会では、当校が編集した冊子「総合的な学習実践事例集」を配布。
参加申し込み
1.申込期間 9月17日(金)まで。
当日の申込みも受け付けますが、印刷物等の準備の都合上、できるだけ前もってお申込み下さい。2.申し込み
○電子メールでの申込みを受け付けています。 ○資料請求は、メールアドレスfkenkyu@fukuyama.hiroshima-u.ac.jpにお願いします。
○通常の申し込み方法については下記まで資料を請求して下さい。
〒721-8551 広島県福山市春日町5丁目14番1号
広島大学附属福山中・高等学校 研究部 TEL 0849-41-8350 FAX0849-41-8356◆◆魅力いっぱいの研究会です。是非お越しください。◆◆
公開授業一覧
※当校は中・高一貫教育を実践しており、中学校を1〜3年、高等学校を4〜6年と呼んでいます。
教 科
部会別研究主題
公 開 授 業
時限
学年・クラス
授 業 内 容
授業者
国 語
生徒が主体的に考える国語教室
T
2・B
「モモ」を読んでいろいろ考える
竹盛浩二
U
4・E
「平家物語」を読む
金子直樹
社 会
自ら学ぶ力を育てる授業
T
6・選択
「地域調査」の進め方
和田文雄
U
2・C
水と人間
大江和彦
数 学
数学的な楽しさを知り、生徒が主体的・意欲的に取り組む教育内容の創造
T
※総合学習T限(2A)の授業を参観
U
4・C
三角比の応用
釜木一行
理 科
自ら学ぶ力を育てる理科の授業
T
5・選択
化学反応と熱の出入り
柏原林造
U
1・A
果実は生きているのか
白神聖也
保 健
体 育
生きる力の育成をめざして
T
4・AB男子
自ら学ぶ力を育てるバスケットボール
岡本昌規
U
2・AB男子
僕たちは8メートルロングジャンパー
三宅幸信
音 楽
音楽の多様性、美しさを感じ取って表現しよう
T
1・C
アジアの民族音楽に親しもう
新福一孝
U
6・選択
曲種に応じた発声の工夫
光田龍太郎
技 術
創造性を育て、実践力を育てる学習指導
U
3・B
情報基礎「インターネット情報の活用法」
濱賀哲洋
英 語
実践的コミュニケーション能力の育成を目指して
T
1・A
SUNSHINE 1 Program 7 アメリカ到着
多賀徹哉
U
5・E
SPECTRUM ENGLISH READING lesson 5 Football
山田佳代子
総合
学習
自ら学び自ら考える力を育む
総合的な学習をめざして
T
2・A
「関数を見つける」
−実験をとりいれた授業−
村上和男
U
1・C
学びの基礎
−コンピュータを活用した自己表現と
コミュニケーション活動−
山下雅文
分科会一覧
教 科 内 容
指導助言者
国 語
<研究協議>考える授業
広島大学助教授 吉田裕久
広島大学助教授 竹村信治
社 会
<研究協議>
自ら学ぶ力を育てる授業をいかにつくるか
広島大学助教授 棚橋健治
数 学
<研究発表>総合的な学習を目指した実践例
発表者 甲斐章義
広島大学教授 今岡光範
広島大学助教授 小山正孝
理 科
<研究発表>
理科の授業と総合的な学習における環境教育の在り方
発表者 平賀博之
広島大学教授 池田秀雄
保 健
体 育
<研究協議>
新学習指導要領への体育からの発信
広島大学教授 江刺幸政
広島県教育委員会 本広淳範
音 楽
<研究協議>総合的な学習をどうつくるか
広島大学講師 高須 一
技 術
<講演>
新学習指導要領が目標としている指導はどうあるべきか
講演者:広島大学教授 間田泰弘
広島大学教授 間田泰弘
英 語
<研究協議>
公開授業及び「実践的コミュニケーション能力の育成」に関する質疑応答、意見交換
広島大学教授 中村愛人
広島大学助教授 松浦伸和
総 合
学 習
<研究発表>
1.当校の総合的な学習の概要 発表者 高地秀明
2.身近な自然と環境からの学び 発表者 畦 浩二
3.新聞を活用した「情報の分析と伝達」
発表者 鵜木 毅
<研究協議> 総合的な学習の在り方
京都ノートルダム女子大学学長
梶田叡一
各教科の公開授業および分科会(研究発表・講演など)の内容
「生徒が主体的に考える国語教室」をテーマとして、生徒が楽しく授業にのぞむことができることをめざしています。中学校2年生の授業では、「モモ」(M.エンデ)を読んで、生徒たちが、お互いに考えたことの共通項を確認しながらも、それぞれの独自の考えを具体化していきたいと思います。高等学校1年生の授業では、「平家物語」を教材として、諸本を比較して読みながら、“語り物”ということに焦点をあてて学習します。
国語科
「自ら学ぶ力を育てる授業」を探究しています。その実践の試みとして中学校では、人にとってもっとも大切で身近な存在である「水」と「人間」の関わりを歴史的視点からとらえ、歴史的分野の内容精選の論理と授業構成の方法を考察し、高等学校では地理学習の本質ともいうべき「地域調査」をとりあげ、身近な地域の変容を生徒にいかにとらえさせ、その指導をすべきかを「教師による地域調査」により具体的に提示します。
社会科
今まで、課題学習の時間には、現実の中から身近な問題を取り上げ、生徒の知的好奇心をそそり、学習への興味・関心を高めるような問題を取り上げて授業を実施してきました。
数学科
この度の研究会では、蓄積してきたこれらの教材を集約し、総合学習の視点から見直し、生徒が目を輝かせて意欲的に取り組む授業の実践例を紹介します。
理 科
公開授業T(高等学校化学TB)は「化学反応と熱の出入り」。熱について化学の立場では、化学反応において、熱を放出する反応と、周囲から熱を奪いながら進む反応があることを学習する。理科の立場から総合的な学習に対してどのような取り組みができるのかも、併せて考えてみる。
公開授業U(中学校2分野)では、生きる力をつける教育が提唱され、生命尊重の教育が問われている現代において、「生きている」とは何なのか、理科では自然科学の側面から、生徒に正しい生命観を培う必要があろう。これらのことについて話題提供したい。分科会では、総合的な学習としての環境教育の在り方について研究発表する。生きる力の育成をめざして 「保健」・「体育」は、この度の学習指導要領の改訂を待つまでもなく、本来、個人がもてる知識・体力をはじめとする様々な力を統合し、知恵として総合的・有機的に機能する形に昇華して発揮してこそ十分な成果を上げることができる教科である。そのような、「知恵」として機能する学力を身につけるためには、生徒一人ひとりが、確かな生きる力を、その内面に育てる必要があることは、言うまでもない。今回の授業では生徒の内面的な動きを大切にしながら、「生きる力の育成」をめざした授業を展開してみたい。
保健体育科
音楽科では、日本や諸外国のさまざまな音楽文化への、関心や理解を深める表現活動、鑑賞活動の充実をめざしています。
音楽科
中学校の授業ではアジアの民族音楽を取り上げ、鑑賞と表現の一体化によって、その多様なよさを実感することができるような授業を展開します。高校の授業では、曲種に応じた発声を工夫して、声のもつ表現の可能性を探ります。
分科会では、今話題となっている総合的な学習について、音楽科からどのようなアプローチができるのかについて、当校の実践をまじえて意見交換や協議をしていきたいと思います。公開授業は、情報基礎領域を行います。具体的には、コンピュータを使用して、インターネットで得た情報の整理や活用をするための方法について授業を展開します。
技術科
分科会では、授業の合評会に続き、学習指導要領が改訂されるのに伴い、広島大学学校教育学部教授の間田泰弘先生をお迎えして、「新学習指導要領が目標としている指導は、どうあるべきか」の演題で講演をしていただきます。教科テーマは「実践的コミュニケーション能力を高める試み」 として、中1と高2の研究授業を行ないます。中1では限られた語彙と文法的知識の中で、自己表現の活動をいかに組み立てていくかということを目標に授業をします。高2では、リーディングの教科書を使って、読み取った情報をまとめ、それについて自分の考えを英語で表現できるということを目標に授業をします。
英語科
当校の「総合的な学習」は、中学1年生では、「学びの基礎」という共通のテーマでおこない、中学2年生は、テーマを選択して課題を発見・探究する学習、中学3年生は、課題探究学習から発展してコミュニケーション能力や表現活動に視点を置いた学習を展開しています。
総合的な学習
公開授業T(中学2年生)では、身の回りの様々な事象の中から数学的な視点で課題を見つける力を培うことを目標とした授業をおこないます。具体的には様々な実験をとおして関数関係を見つける内容です。
公開授業U(中学1年生)では、「学びの基礎」というテーマで、コンピュータを活用して、探究した内容(情報)を効果的ににまとめ、発表・相互理解・相互評価といったコミュニケーション活動の授業を展開します。
分科会では、当校の実践事例を報告するとともに、全国の国立大学附属中学校の主な実践事例を紹介しながら、総合的な学習のあり方について協議します。※当校が編集した冊子「総合的な学習実践事例集」を配布