広島大学附属福山中・高等学校の教育実習支援システム
先輩から後輩へのメッセージ
大学生活と違い,時間を守ってはやく動かなければなりません。気づかないところで体が疲れます。実習前は体調を整えておきましょう。
「なにもかもすべて勉強させていただきます」の謙虚な気持ちをもっていたらいいと思う。
自分は実習生で,学ぶ立場のつもりでも,生徒にとっては教える立場であるという自覚をもっておいたほうがよい。言葉遣い,服装,髪形にも日ごろから注意しておくこと。
「教師として教壇に立つ」と思うこと。生徒にとっては,我々の授業も授業のうちである。
実習中は「教師である」という自覚をもち,学生であるという意識をかえる。自分たちの常識は中学校・高等学校では通用しないことを知っておく必要がある。
生活が夜型の人は朝型にかえて体調を整えておいた方がいい。たばこ,酒の好きなひとは相当な我慢を強いられることを覚悟してください。
自分を人前にさらすことになるのだから,自分の長所,短所を知っておくこと。
人前で話すだけの度胸と精神力をつけておくこと。
生徒の大切な人生の時間の一部を自分に提供してもらっていると思えること。
多くの文献にあたって専門的な教養を身につけておくことです。高等学校時代の断片的な知識だけではどうにもなりません。高等学校時代の参考書も全く役に立ちません。
教材研究をして,教材観,指導目標などを考えておく。できれば授業時間数分の指導案を作っておくといい。(実際には当然書き直すことになるが)
授業する教材がわかったら,実習校に行く前に十分教材研究をしておいた方がよい。指導案を書く段階では,自分の勉強したことを生徒が理解できるようにくだいていく作業に専念することになるので,自分自身が理解する作業は早めにとりかかりましょう。
学習指導要領を熟読し,いつ,どのようなことを学習するのかをしっかり頭に入れておくことが大切です。
先輩の授業した指導案に目を通しておくと大変参考になると思う。
授業する教材のために必要と思われる資料は,実習校に行く前に出来る限りそろえておくとよい。行ってからでは資料を集める暇もないし,資料も不足がちだ。
中,高等学校時代に受けた授業のなかで,よかった,わかりやすかったと思われる授業を思い出して,自分の授業をイメージしてみる。
仲間がいつも近くにいることが何より心強い。
いつも同じ教科の人がいて,心強い。みんなががんばっていると思うと自分もがんばれる。大勢で笑ったり食事したり,ストレスがたまらなかった。宿舎の運営は学生の自主性にまかされており,楽しく有意義だった。また,宿舎が学校の敷地内にあり,出勤時間がかからず,時間を有効に使うことができた。
実習授業の教材研究を互いに討論しながらできたし,前日には,模擬授業もできた。そして何より,互いに励まし合ったり,体調不良の場合には看病しあったりできて気分的に楽だった。
友人の教師観や人生観などについて聞くことができ,苦しくても,励ましたり励まされたりして,お互いに高め合うことができた。
共同生活が楽しい。みんなでいっしょになって,指導案のアイデアを出し合ったり励まし合ったりできるので心強い。精神的にまいってしまいそうな時にも,助け合い協力できるので耐えられる。
友人ができ,不安や悩みだけでなく楽しみも共有しながら2週間をすごせたことは,とてもいい思い出になると思う。
規則正しい生活ができ,なんとなく実習前より健康になったような気がする。
プレッシャーをかけ過ぎて頑張り過ぎないこと。ご飯はきちんと食べ,ちゃんと眠ること。「気合を入れてやれば身体はついてくる」と自分の身体を過信すると無理をしてしまいがちになる。「身体は気合だけではどうにもならない面もある」ことをわかっておくこと。mentalとphysicalの両面で,自分の状態を冷静に判断することが大切です。
よく食べ,よく眠ること。特に朝食は絶対に欠かさないこと。常備薬も忘れずに。
かなりハードな毎日なので,体調維持はけっこう難しい。でも、これが一番大事です。やはり三食きちんと食べること,少なくても必ず睡眠をとり,絶対“徹夜”はしないことです。ストレスをためないように。
エアコンの温度調整に注意。衣類の着脱で温度変化に対応する。早寝,早起きをすることがよい。
私が友人からうけた忠告「授業が下手なのは承知のうえだが,一所懸命準備して授業しても,自分が気分が悪くなったり,倒れたり,または授業観察中に居眠りしてしまってはお話しにならない。食事と睡眠はしっかりとって,最低でも4〜5時間は眠らないともたないよ。」 体調を崩すと,自分がつらいだけでなく,先生方や生徒にも迷惑をかけることになるので注意しましょう。先生方は本当に心配なさっています。
社会人,教師としての自覚を持って行動すること。(服装は派手ではなく,清潔なものを身につけること。礼儀をわきまえること。時間には正確に。言葉遣い〈ラ抜き言葉,語尾上げなど〉。喫煙。)ふだんから気をつけておかないと,急に直そうと思っても習慣になったものはなかなか直せない。
大学では通用しても社会では通用しないルールがあることを頭に入れておくべきだ。(大学生活の常識は世間の常識ではない。)
「こういうことを教えたい」という目標を明確にすること。
生徒の立場・教師の立場双方の面から考えた教材研究,指導案作りが大切だと思う。何をその授業で教えたいか,伝えたいかがはっきりしていないとうまくいかない。
教材分析をどこまでできるかに授業の内容はかかっているということがわかった。はやめ,はやめに。指導教官は自分のためだけにいらっしゃるのではないのですから。
生徒に教える内容よりももっと深く教材研究をしておかなければならない。1を教えるには10以上のことを理解し,知っておく必要がある。そのため,授業時間の何倍もの時間を教材研究に費やすことになる。また様々な視点から考えなければならない。自分が理解していることと教えるということは全く別であって,教える方法も十分に考える必要がある。
自分では理解しているつもりでも,指導案を書く段階になってから指導内容がまとまらず困りました。なぜこれを教えるのか,教える内容にどれほどの重みがあるのかを把握することの難しさを学びました。発問をする際のたずね方,何をふまえて何をきくのかをはっきりさせることも大切です。いずれにしても,指導教官からの指摘がなければ気がつかないのがほとんどで,指導教官の言われることの意味,何が求められているのかを理解する力も必要であると思います。
自分が理解していないことを生徒に理解させることはできない。
自分の持っているものはすべて出す。生徒にとって,この授業は一回しかないものと考え,全力で取り組む。
必ず目標を達成するように,余計なところに時間をかけずに本当にふれたい問題にたっぷり時間をかけるといい授業になりやすい。
教師が楽しそうに授業をすると生徒も楽しくなる。
生徒を大切にする気持ちがまず基本だと思います。教師の考え方,態度,言葉遣いなどすべて授業に影響します。発声も大切です。教師の声が生徒に伝わらないと授業が成り立ちません。また、生徒の顔を見て授業をするのはけっこうむずかしいものです。
実際の授業では,自分の思っていた通りにはまずいかない。授業をしながら,自分の論理の矛盾や言葉遣いの不自然さや発問のまずさなどに気づかされることは多すぎるほどある。生徒の反応を見ていれば,自分の授業が理解されているかどうかがよくわかる。
生徒には個性があり,それぞれがいろいろなことを考えている。生徒の意欲的な意見を生かして授業のなかへとりいれるよう常に気を配る。教師の考えを生徒に押しつけてしまわないように,人として誠実に対応する。
いくら準備したつもりでも,授業になると舞い上がる。教師という立場は本当にむずかしい。あくまで生徒が中心であり,教師の進めたいように進めると必ず失敗する。生徒はクールであるが協力的で,実習生の未熟な授業でも一生懸命に理解しようとしてくれる。
反省会は一喜一憂,まさにこれだ。きびしいことを言われてショック,それは必ず次につながる,というか,つなげるべきだ。そこで落ち込んで立ち止まっていてはだめだと思う。反省会は励まし合いである。もちろん,指導教官の指摘は,私達の気のつかない所にチクッとやってくる。本当に勉強になった。大学で学んだ理論と現場は同じとは限らない。
自分の気づいていなかった悪い点,良い点を指摘されて,自分の指導案に対する見方が変わる。出された意見はしっかり聞き,他の人の授業については遠慮せずにしっかり意見を言うべきである。当然,指摘された内容は,次の授業に生きる。
批評会での,指導教官,他の実習生からの指導,意見はなによりも役に立つし,ありがたい。時に厳しいこともあるが,指導教官の指摘は,特に自分の授業の問題点,弱い部分を的確におさえてくださっていて,そのなかで,やっと自分の授業がみえてくる。しっかり批評していただくことが大切である。
批評会での,また観察録の他の実習生の意見が非常に参考になる。指導教官からの助言が最も勉強になった。授業で「なぜここがうまくいかなかったのか」ということを考えさせられ,改善していく方法,良い例を示していただける。他の実習生からのことばから,自分のくせ,良い所がつかめてきて,何をセールスポイントに授業をすればよいか,わかってくる。
教官の授業は当然,仲間の授業を観察することは,自分が授業をするのと同じくらい勉強になると思った。外から全体を客観的に見ることによって,授業をやっている時には気づかないことが見えてくる。
「自分だったら......」という気持ちで,つい教師の視点にばかり立って観察してしまうが,「自分が生徒だったらどこをどうしてほしいか,どういうところがうれしいか」等の視点に立って見ることで、次の授業計画のアイデアを得られると思う。教師だけでなく生徒を観察することも忘れないで!
他人の欠点を探すのはたやすい。それを自分の授業に生かすのも比較的簡単である。良い点を探す出して,それがなぜ良いのかを分析し,自分の授業に役立てるのは難しい。
他の実習生の授業を観察すると,良い点も悪い点もよくわかり,自分の授業に役立つようなことを発見できる。クラスの雰囲気作りや発問の仕方,生徒の反応など自分の授業中ではよく覚えていないようなことでも,他の授業では客観的に冷静に観察できるので,観察実習が一番勉強になるかもしれない。観察をする際には,さまざまな観点を設けて意欲的に観察すると,得るものは多いであろう。
教師と生徒との信頼関係に基づき,クラス運営はできるだけ生徒にさせるが,教師が要所要所で指導している。
HRの状況を常に把握しておくことの大切さがわかった。ホームルーム担任は,生徒のわずかな変化にも目をむけているし,生徒の自主性も大切にしているが,これは状況を正確に把握できているからだと思うし、把握するためでもあると思う。
教師は,生徒に直接的に連絡事項を話すだけではなくて,生徒に疑問を投げかけ生徒が自分でどうしたらよいのかを考えさせている。また,生徒達が自分達でできることは,係を作り,自分達で連絡するように指導している。少数派の意見も尊重しながらクラス全体の意志を決定できるように生徒を導いている。
中学3年生のLHR,長崎への見学旅行の事前学習において,「なぜ」の部分をまっすぐに伝える教師の姿勢に感動した。自分もそうありたいと思った。
はじめは教師がホームルームをリードしているが,徐々に生徒中心にへとスライドさせていく流れの妙を学びました。
「自由」の校風が反映されたすばらしいホームルームだった。統括するのは教師だが生徒の自主活動にまかせる姿勢は一貫しており,生徒を信頼している証しにも思えた。
実際に教壇に立って授業をしたことが何よりも貴重な体験でした。授業の前後には,指導教官に適切な指導をしていただいて,学ぶところが数多くありました。学校全体があたたかい雰囲気で,学校の役割をなんとなく感じることができたのも大きな収穫です。
「やっぱり私は教師になるために生まれてきたんだ」という自信と確信。友人や教官との暖かい人間的なつながり。
「生徒は宝物である」ということを身をもって感じた。生徒は教師にとってかけがえのないものであるとわかった。また,生徒は“怖い”ものではなく,“共に学んでいく伴りょのようなものだ”と思った。だから,「生徒を信頼し過ぎてもいけないし,期待し過ぎてもいけない,でも,疑ってはいけない」これは生徒に教えられた言葉である。これには深い意味を感じる。私は,生徒に対しての愛情だけは常に持ちつづけたいと思う。自分が思っている以上に,生徒は教師の心の中を読み取っているし,敏感に感じ取っている。だから,生徒に対する愛情を持ってさえいれば生徒にも私の情熱が伝わるんではないかと思う。とにかく,生徒はすばらしいものだとわかった。
何よりもまず「授業をする」ということの難しさ。教師中心になりやすい,ということ。「生徒中心の授業とは......?」など,悩みの絶えない2週間だった。まだまだとても答えは見つかりそうにはないが,この悩みこそが実習で得たものではないだろうか。一言一句が生徒の反応となってかえってくる重み,自分の精神状態がまるで鏡のようになって授業へと反映する恐ろしさ,たくさんの瞳が自分を見ているという事実,教師という存在の責任の重さを実感できたことも収穫だろう。
「学生」という自分から離れ,実習生ではあるものの,「先生」と呼ばれる立場に立ち,多様な経験から悩み,苦しんだことはとても意義があり,とても貴重な体験であったと思う。
まだまだ自分に課せられた課題は多く残っている。これを持ち帰り,これから自分なりに一生懸命取り組んでいきたい。ご指導くださった多くの先生方,真剣に授業をきいてくれた生徒たちに心から感謝します。とても有意義な2週間でした。
正直言って,教育実習がはじまってはじめて,「本当にここで教育実習をするんだ」という実感がわきました。心構えが不十分だったけれども,いざ始まってみると,教材研究,実習授業,授業観察などに必死になっていました。
大学でこれまで学び,知識として得たものはあったけれども,それは漠然としていて,即実践に結びつくようなものはほんのわずかでした。やはり,実習校に来て実際に悪戦苦闘しながら自分なりに教案を作り,なんとか50分の授業をやり終えてみて身をもって感じることが,本当に自分のものになっていくのです。「生徒を理解することが大事」ということはわかっていても,実際に教育実習の場(生活面,授業)で,それをすることはおろか,そういう姿勢を維持することさえ簡単なことではないと思いました。
本当に「授業をする」ということは大変なことです。でも,失敗しながらも,今回こういうことは達成できたと実感できた時,その喜びは次の授業への意欲となります。教師という仕事は大変だけれども,自分の生き方を常に見直す機会を与えてくれる仕事でもあると思います。自分がこれまでやってきたこと,考えてきたこと,そういったものはすべて授業にあらわれてくることを知りました。自分自身をもっと豊かにしていくことが私の今後の課題です。
学校で生徒を見ていると本当にかわいい。この学校の生徒の素直さが実習生を受け入れてくれる雰囲気を作っていると思う。
朝,登校してくる生徒に,「おはようございます」と自然に笑顔で言うと,それまでこちらを見ていなかった生徒も,明るく,あるいはとまどいながらはずかしそうに,「おはようございます」と言ってくれる。その瞬間,「楽しい」と思い,一日が始まる。
クラスにはいろいろな生徒がいる。おとなしくて目立たない子,はきはきしている子,すべての生徒の良いところを見るようにしたい。生徒とかわす一言一言が生徒をかえるのだと思った。生徒にやる気を起こさせ,かつ楽しく学校生活がすごせるようにしたい。
生徒は生きている。 ボクらはそれを支える。 生徒ひとりひとりの顔が見えること。 彼らのひきだしのたったひとつでもボクらが開けてあげようとすること。 彼らの生きようとする力を精一杯感じること。 学ぼうとする力をくみ上げること。 そのためにボクらがやれること。 それがボクらの仕事。
教育実習を終えて自分の得た最大のものは「実力のなさを痛感したこと」です。
子供の感性を伸ばすことが叫ばれている現代の教育において,まず教師の側が,自分の感性を高めることが重要ではないかと思い始めた。生徒の言葉にならない思いを, 生徒が体で,眼差しで訴えていることを,敏感に感じとることのできる感性を教師は持ち合わせていなければならないのではないだろうか。
教育実習を通して,教師という職業の魅力を実感し,教師になることへの意欲が高まった。その意欲のたかまりと同時に「自分の感性を磨く」という課題を持つこともできた。
集団生活は想像していたより楽しく,他の実習生と寝食を共にしながら多くのことを語り合い,助けられた時もありました。実習に参加して,教育に関すること以外にも,自分の生き方や自分を支えてくれている家族や友人,そして諸先生方に対する考えが深まりました。この度得たものを大切にしながら,今後の進路を一生懸命考えていきたいと思います。ありがとうございました。