美術科学習指導案例
中学校 美術科 学習指導案
■単元の指導計画
1.題目(題材)
自画像のデッサン
2.対象学年
中学校3年生
3.題材設定の理由
@デッサンは基礎的な造形力をつけるために欠くことのできない題材である。対象をしっかりと観察し,
描写力や表現力の向上を図ると共に,根気強く努力し制作に取り組む姿 勢を養う。デッサンにおいても
自分の気持ちや感情が表現できることが大切である。気 持ちを込めて表現できるよう努力させる。
A自画像デッサンを通して,自己を見つめ,自己と対話しながら,自己の内面の表現を追求し,自分の
特徴や人間の生き生きとした表情,生命感などを表現させる。
B人体の骨格,比例(プロポーション),量感,動勢などの造形要素についても理解させる。
4.学習の目標
@自分自身をよく見つめて「自己とは何か」を自分に問いかけながら,外見だけでなく内面を捉えて描く。
A自分にふさわしいポーズを決め,全体の比例や,部分と全体の割合などに注意しながら,自分の特徴や
表情を捉えて描く。
B鉛筆や色鉛筆などの素描材料の使用法を学習し,筆触や色彩の効果について工夫しながら,自分らしい表現を探究する。
C完成した作品をもとに感想を述べ合い,友人相互の心の交流を図る。
5.配当時間 計4時間
@導入 0.5時間
A展開 2.5時間
Bまとめ 1時間 |
・準備物
(生徒)教科書,鉛筆,練りゴム,スケッチブック
(教師)鏡,色鉛筆,画板,教科書,図版資料 |
学 習 活 動 |
時間 |
指 導 上 の 留 意 点 |
備 考 |
1.導入
@題材の説明,注意
2.展開
@鏡や画板の準備
A構図を考える。
Bおおまかな形をとる。
C描き込む。
D全体を見直す。
E細部を描き込んで
完成する。
3.まとめ(合評会) |
0.5
2.5
1 |
・教科書をもとにデッサンの意義や表現の楽しさを理解させる。
・用具の説明や制作手順,表現方法について 注意する。
・鏡の自画像をよく観察し,画面への入れ方を
考える。
・構図を決め,画用紙におおまかな形をとる。
・頭とからだ,からだと腕など人体の各部のつながりや全体のプロポーションに注意し,狂いがあれば訂正するようにする。
・大きく調子をつけながら,全体の姿を描き込む。
・描く,検討する,修正してまた描く,という繰り返しの過程を大切にする。
・ポイントになる調子を詰めたり,描き込んだりして完成に近づける。
・全体感を大切に,作者の感情や気持ちが画面に表現できるようにする。
・全員の作品を並べ合評会を行い,お互いの 優れているところなどを認め合う。 |
・コンテなど鉛筆以外の素描材料についても,必要があれば使用できるようにする。
・クロッキーをしてポーズなどよく検討する。
・細部にこだわらずのびのびと描くようにする。
|
評
価 |
・デッサンすることの意義や大切さについて理解することができたか。
・人物を生き生きと表現できたか,また自分の気持ちを込めて描くことができたか。
・人体の骨格やプロポーション,ムーヴマン,量感などについて理解し,表現する
ことができたか。 |
デッサン・線による表現「自画像を描く」
4時間のうちの1時間 |
中学校 第3学年( )組 美術科学習指導細案 |
( )月( )日( )曜日 第( )限 於美術教室 指導者氏名( ) |
■本時の指導計画
1.題材 デッサン「自画像」
2.目標
@人物デッサンを通して,人体の比例や骨格などを把握し,描写力や表現力を養う。
Aモデルをしっかりと観察し,動勢や表情などにも注意し生命感豊かに表現させる。
B素描の材料・用具について理解し,それらを自らの表現に的確に使用できるようにする。
C完成した作品をもとに相互に感想を述べ合い,友人同士の心の交流を図る。
3.計画(総時間数4時間)
@導入(デッサンの意義,制作手順や表現方法の説明)・・・・0.5時間
A準備とポーズや構図の検討のためのクロッキー・・・・・・・・・・0.5時間
B制作T(あたりをとる,描き込み) ・・・・・・・・・・・・・・
1時間 本時
C制作U(描き込み,仕上げ)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1時間
Dまとめ(合評会)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1時間
4.本時の目標
@描く姿勢を正し,デッサンする基本的な心構えを身につけさせる。
A人体のプロポーションや各部のつながりについて理解させ,自然な動きの感じられる人物像を表現させる。
B鉛筆などの描画材料の説明を行い,それらの表現方法を工夫させる。
C後始末をきちんと行い,次のクラスが気持ちよく授業できるようにする。
5.本時の準備
6.本時の指導計画
時間配分 |
学習活動・指導過程 |
指導上の留意点 |
導入
5分 |
本時の説明
・題材のねらいと制作プロセスの説明
・自画像表現の事例を紹介する。
(レオナルド・ダ・ビンチ,レンブラント, ゴッホ等の図版,生徒作品を用意)
画用紙,色鉛筆の配布,鏡の準備 |
・なぜ自画像を描くのか,そのねらいや意味について理解させる。
・色鉛筆の使い方の工夫について具体例を提示し説明する。 |
展開
35分 |
作品制作
・自分にふさわしいポーズ,構図を決める。
・頭や体の角度,顔や目,鼻,口などの部分 と全体の比例を見ながら描き始める。
・自分なりの表現効果を意図した多様な工夫 を試みさせる。 |
・まず,人物の全体感を把握し,構図の取り方に留意させる。
・鉛筆の線の粗密で濃淡を作り,明暗の段階を捉え表現させる。
・鉛筆の筆触や色彩の混色,塗り重ねなどによって多様な表 現の可能性を探究させる。
・個々の進行状況を把握し,生徒の制作意図に沿った適切なアドバイスを行う。 |
まとめ
10分 |
鑑賞
・本時の作品を鑑賞し,合評会をする。
・自分の感想を発表する
・友達の作品について感想を述べ合う。
・自己評価シート,レポートを記入する。
後片付け |
・自他の作品を鑑賞し,制作についての反省と今後の課題を考えさせる。
<自己評価の観点>
・自分なりの表現ができたか。
・描いた作品の印象
・努力した点,苦心した点。
・成功した点,よくなかった点。 |
評
価 |
@人物デッサンをする意義を正しく理解し,表現する意欲を持つことができたか。
A自分の表現意図を明確にし,的確に構図を取ることができたか。
Bデッサンをするための準備や後始末がきちんとできたか。 |
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