B6027.gif (1036 バイト)教育実習支援システム 広島大学附属福山中・高等学校

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数学科

1. 実習にのぞむ心構え

 生徒にとっては,教育実習生も先生である。実習生は教育実習でさまざまなことを学 ぶが,教壇に立てば自分は教える立場にあることを認識してほしい。また実習の大部分 の時間は「数学の教科指導」である。まず数学の高い学力を身につけた上で実習にのぞん でほしい。さらに,教師になりたいという熱意が必要であることは言うまでもない。

2.実習前の準備

ア.指導案の書き方について

◆どのような教育観で,どのような立場から指導しようとしているのか。
     理解させようとしているのか,あるいは考えさせようとしているのかなど。

◆重点は何か       重点項目を多くしてはならない。1時限1項目が原則。

◆目的達成のために,どんな方法,段階,順序を考えているか。

◆生徒が活動する場面を必ず設定しよう。

生徒にさせることと,教員がすることをはっきりと区別する。
実際の授業で指導案の通りにいかないこともあるが,あまり気にしなくてよい。生徒 の理解を無視して強行するのはよくないし,休憩時間に延長して授業を行うのは最も よくない。

イ.発問について
発問にもさまざまなレベルがある。
*生徒がすでに知っていることを確認させる導入的な発問 「・・ですね」
*生徒に問題意識を持たせ,考えさせる発問 「・・はなぜですか」
*生徒の理解を評価するための発問 「・・をどう思うか」
*課題設定的な発問 「では次に何をしたらよいですか」
場面に応じて発問を使い分けよう。

また発問してから生徒が答えるまで,充分に時間を確保すること。

ウ.教具を作ろう

教材の中には抽象的でとらえどころの無い物も多くある。長い時間をかけて説明するよりも,教具を一目見ただけで納得できる場合もある。また手作りの教具を教室に持ち込むことによって,生徒は「先生は今日何をするのだろう」と素直に反応する。実習期間中に少なくとも1つは教具を作ってください。

エ.自分以外の実習生の授業を数多く観察しよう。

観察に際しては,授業を生徒の立場で受けるのではなく,その授業の悪い点を見つけてください。その際しゃべりかたや板書の仕方などの技術的なことばかりでなく,授業の構成方法などにも注意しよう。単に良かった,悪かったというのではなく,どこがどのように悪かったのか,また自分ならこうする,という目で見ること。なお反省会では必ず自分の意見を言おう。

 

.指導案例

4年A組 1997年6月16日(月) 第5時限     授業者 村上 大介

題目(主題)メネラウスの定理の発展

指導計画

1.メネラウスの定理の導入(第1時)
2.メネラウスの定理の応用(第2時)
3.チェバの定理の導入(第3時)
4.メネラウスの定理の発展(本時)

目標

三角形と直線のメネラウスの定理を多角形と直線の定理へと拡張し、定理の美しさを感じさせる。

 

学習内容 学習活動・指導過程 指導上の留意点
導入
5分
◆メネラウスの定理について復習する。

◆公式や頂点、交点の区別などについて発表させ、三角形と直線に関する定理であることを確認
させる。

AD/DB×BE/EC×CF/FA=1

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公式は頂点、交点、交点、頂点としりとりのようになっている。

展開
40分
◆定理を構成するさまざまな要素をノートに書かせ、それを発表させる。

発表予想例

三角形についての定理である。
直線についての定理である。
交点についての定理である。
頂点、交点の順が決まっている。

など

◆要素をいろいろ変えた図形を、ノートに書かせる

予想例 四角形と直線が交わった図形。
三角形と曲線が交わった図形。

など

◆何名か指名して板書させる。

◆板書された図形について、定理があるかどうか、
あるとするなら、どのような定理になるか予想させる。

◆今回は、四角形と直線が交わる図形を取り上げることにする。

その図形について、三角形と同様に、頂点と交点の区別、交点の順序を考えさせ板書させる

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◆元の定理に対応させて
A1B1/B1A2×A2B2/B2A3×A3B3/B3A4×A4B4/B4A1=1を予想させる。

◆五角形や、六角形が直線と交わる場合の定理を予想させる。

要素はできるだけ多く出させる。

予想が正しいかどうか気にしないこと。
B1からB4までの順序はしっかりと確認する。

元の定理と比較させて右辺を予想させる。
どの場合も同じ形式になる。
まとめ
5分
 

◆定理の拡張の方法についてふりかえる。
◆証明は次の時間に行う。

 

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