平成12年度 Eスクエア(e2)・プロジェクト
「協働実践企画プロジェクト」
酸性雨/窒素酸化物調査プロジェクト 実施計画書(抜粋版)
酸性雨/窒素酸化物(NOx)調査プロジェクトは、1995年にはじまった酸性雨調査プロジェクトの発展的なプロジェクトとして、1999年にスタートしたものである。広域ネットワークを使って、全国的な規模で展開されるこのプロジェクトは、次のような目的を持っている。
学校における教育実践は、その大部分が学校の中に留まってしまう。ネットワークの教育利用は、これを打開する切り札と期待されたが、学校をはじめとする教育機関の体制が整わず、いまだ第一歩を踏み出したばかりである。本プロジェクトは、酸性雨や窒素酸化物の測定を核にして、ネットワークを利用した新しい教育システムを総合的に開発しようとするものである。本年度の活動は、大きく「指導者研究会」の開催、児童・生徒に使いやすく授業でも活用できるWebページの開発の2つから成る。
これまでプロジェクトは、すべてネットワーク上で行ってきたが、プロジェクトを広げ、深めていくことを考えた場合、ネットワーク上のやり取りのみでは限界がある。そのため、参加校の教師がオフラインで一同に会す「指導者研究会」を開催する。これは、各参加校が、本プロジェクトに参加しつつ地域展開していくためにどのような活動を行っているか、また、活動における留意点・課題等をどのように認識しているか、意見交換したり問題を共有したりすることは重要である。また、専門家による観測の意義や観測方法に関する講義も盛りこむ。このようにしてプロジェクトに対する意識を高めることにより、プロジェクトへの取組みが活性化、それが波及してプロジェクトが広がっていくことが期待できる。
Webアプリケーションの開発は、本プロジェクトで過去に作成されたものを改良・機能追加することにより行う。これまで本プロジェクトは、30〜40校規模で展開されてきており、Webページ上からデータ登録を行い、データを蓄積する仕組みはできている。生データを蓄積し、授業での活用は教員の創意工夫に任せようと意図したものである。しかし、ネットワークの活用に時間をとられ、教員独自の手で生データを活用することは困難なのが実状である。従って、本年度はデータを授業時にも容易に活用できるよう、データの加工・表示機能を中心に新規開発を行う。また、本年度は参加校を広げることがテーマとなっているため、これまでのようにすべての参加校で観測機器を統一することは困難である。従って、Webページも、多様な参加形態に対応しうるよう、観測機器に応じて柔軟にデータ登録・表示を可能となるように既存登録システムの改良を行う。
本提案システムはWebブラウザを用いて利用可能であることから、世界中のどこからでも利用可能である。実際には、ネットワーク回線の混雑状況による制約を受けることになる。
企画会議
本年度プロジェクトの目標設定、参加校の募集形態等、企画の概要に関する打合せ・調整を行う。
参加校の募集
参加校を広げていくことを念頭に、募集形態を2つに分けることにする。第1次募集は、50校を目処に募集を行う。これら参加校は、酸性雨及び窒素酸化物に関して、従来同様踏み込んだ観測を行うことにする。
第2次募集は、第1次募集校が測定開始した後に行う。参加の壁を低くするため、簡易的な測定方法を準備し、小学校を対象に30校を目処に募集する。
指導者研究会の開催
全国的なネットワークにより集約されたデータの活用方法に関する議論、参加校を広げていくための地域展開方法等、参加校間で情報交流を行い、今後の活動を活性化することを目指し、測定方法の説明会を兼ね、指導者研究会を開催する。
雨水の詳細分析
本プロジェクトを環境学習として有意義なものとしていくためには、学問的な裏付けが重要である。従って、参加校からの雨水を広島大学に集約の上、詳細な分析を行い、結果を参加校へフィードバックする。
観測データ登録/表示システムの開発
異なる参加形態の学校のデータを蓄積し、必要に応じて参加形態ごとに区別して表示可能とするシステムの開発を行う。従来は生データを参加校に提供し、その活用は参加校に任せていたが、本年度は広げることを念頭に、データを活用するための表示システムに関する開発を行う。
委員会の開催
事務局メンバーに参加校を加えたプロジェクト推進委員会を組織し、プロジェクトの状況を踏まえた上で、以降の進め方に関する議論を行う。
観測データの登録/プロジェクト遂行
参加校各校で測定したデータをWeb画面を通じて登録し、各授業等で独自に利用してもらう。また、委員会での検討内容を踏まえ、プロジェクトを有意義なものとしていくため、適宜メーリングリスト等を用いて議論を行っていく。
まとめ・報告書作成
上記の各項目により本年度の活動を振りかえり、本プロジェクトの意義に関して検証していくとともに、今後のプロジェクトのあり方に関する考察を推進委員会等にて行い、その結果を報告書にまとめる。

−以上−