上越教育大学学校教育学部附属中学校の実践事例 |
住 所 | 上越市本城町6番2号 | 郵便番号 | 943-0835 | ||
電 話 | 0255-23-5313 | FAX | 0255-23-3594 | http://www.juen.ac.jp/jhs/chugakko.html |
総合的な学習を表すタイトル |
教育活動のネットワーク化(総合学習グローバルセミナー,選択学習桜城セミナー) |
キーワード,分類 |
教育活動のネットワーク化,総合学習グローバルセミナー,各教科の枠を超えた学習,自由テー マ設定学習,体験を基にはぐくまれた問題意識,生徒一人一人の自由な発想に基づく学習活動,国際理解,地域理解,情報,環境,福祉,体験,観察,調査,実験,発見,まとめ,発表,問題解決的な学習 |
総合的な学習に対する考え方 |
関連が強いと考えられる内容や活動を持ち寄った学習を構想し,各教科等の壁を低くし,教育活動のネットワーク化を図ることにより,「21世紀をきりひらき,豊かに生きる人間」を育成することができる。 |
総合的な学習の目標(目指すもの) |
国際理解や環境,情報等の学習や自由テーマ設定学習を,教育課程の中に位置付け,国際化や情報化等が急速に進むこれからの時代を主体的に生き抜く資質や能力をはぐくむため,各教科等の中核となる資質や能力をとらえ直し,学校間の交流や家庭との連携等も視野に入れながら,学校の教育活動全体にネットワーク化をはかる。 |
総合的な学習の実践形態 |
教育活動のネットワーク化 ・1年グローバルセミナー 「世界のみなさん,こんにちは」 26時間=社会科16+美術科4+学活3+英語科1+音楽科1+保健体育科1 「アンニョン!韓国のみなさん」 19時間=社会科8+美術科4+学活4+英語科1+技術・家庭科1+数学科1 「ウォーターワールド」 11時間=社会科6+理科4+技術・家庭科1 ・2年グローバルセミナー 「上越21」 27時間=社会科17+美術科2+国語科5+英語科1+音楽科1+保健体育科1 「ミュージカル」 20時間=音楽科15+美術科2+学級活動3 ・3年グローバルセミナー 「21世紀の通信使〜韓国・蘆原中学校の生徒を迎えて〜」 16時間=国語科3+社会科6+道徳4+学活3 「本当の豊かさとは」 12時間=社会科3+理科6+技術・家庭科1+学活2 「マイドリーム21」 10時間=国語科4+社会科3+技術・家庭科1+英語科2 留意事項 国際理解,地域理解,情報,環境,福祉などが課題 体験,観察,調査,実験,発見,まとめ,発表,問題解決的な学習 |
推進組織 |
各学年(各教科等担当+学年グローバルセミナー部会→
ネットワーク化部会) 全 体 グローバルセミナー部会 (各学年代表1名参加) |
文献 |
上越教育大学学校教育学部附属中学校研究紀要(1998),教育研究協議会要項(1998) 上越教育大学学校教育学部附属中学校著『中学校こうしてつくった総合学習』(教育開発研究所) |
コメント(実践から参考になること) |
国際理解を,異文化理解や平和,人権,福祉などを含めた広い概念でとらえる。
地域社会や学校間連携,情報機器の活用。 学年グローバルセミナー部会で,生徒の実態,時代や社会の要請,教師の願い等から,ネットワーク化を図る観点,内容を決定する。その学習の内容は,できるだけ複合的な課題を内包するものである。ネットワーク化を図る観点,内容が決まったらそのグローバルセミナーではぐくみたいことを考慮しながら,関連可能な各教科等の学習内容を学習指導要領,年間指導計画から洗い出す。当該学年の学習範囲にこだわらず,全学年の学習内容を対象とし,関連や統合の可能性の高いもの,知識や理解の内容だけでなく見方や考え方,学び方を含めて,分類,整理する。そして,各教科の目標も考慮した上で,関連する時数とともに持ち寄りの可能性のある時数も検討し実践に移す。 |
1.具体的な「総合学習」の実践例 |
(グローバルセミナー) |
3年グローバルセミナー「21世紀の通信使〜韓国・蘆原中学校の生徒を迎えて〜」 |
実施時期 | 3年生1学期 |
実施時間 | 16時間=国語科3+社会科6+道徳4+学活3 |
・上記グローバルセミナーへ各教科等から持ち寄る学習内容 |
国語科 | 「国際社会と言葉」 国際交流の単元,様々な文章にふれながら考えを深め,まとめる |
社会科 | 「第二次世界大戦」 韓国と日本の関係を中心にした総合単元 |
道徳 | 「人類愛」「郷土愛」「愛国心」 国を越えた人と心の交流の大切さ,人類愛や平和 |
学級活動 | 「生き方を考える」 「校外学習発表会」 |
・上記グローバルセミナーに関連する内容を含んだ各教科等の取り組み |
保健体育科 | 「球技選択3(サッカー)」 スポーツが平和の象徴としてあること (サッカーのワールドカップ韓国日本共同開催に関わって) |
技術・家庭科 | 「Webページを作成・発信しよう」 インターネットを利用して韓国・蘆原中学校と交流 |
英語科 | 「ビデオレターを作ろう」 韓国・蘆原中学校にビデオレターを送る |
学校行事 | 「春の校外学習」 長野県松代の大本営地下壕跡地を訪ねる |
生徒会 | 韓国・蘆原中学校との交流会 |
2年グローバルセミナー「上越21」 |
実施時期 | 2年生1・2学期 |
実施時間 | 27時間=社会科17+美術科2+国語科5+英語科1+音楽科1+保健体育科1 |
・上記グローバルセミナーへ各教科等から持ち寄る学習内容 |
社会科 | 「身近な地域」 |
美術科 | 「秋の印象をとらえて描く」 |
国語科 | 「上越の文学史」「情報化社会と言葉」 |
英語科 | 「学校・地域の紹介」 |
音楽科 | 「郷土の音楽」 |
保健体育科 | 「スキー アルペン」 |
・上記グローバルセミナーに関連する内容を含んだ各教科等の取り組み |
数学 | 「統計から見た上越」 |
道徳 | 「郷土愛」 |
学校行事 | 「春の校外学習」「修学旅行」 |
活動計画作成で重視したこと |
・これまでの各教科等で培われた認識や問題意識,追求意欲,学習技能等を思う存分生かせるように,生徒の構想に基づいた多様な学習活動を認める。 | |
・秋の修学旅行学習(長崎)や各教科等での学習と関連や統合化を図る。そうすることで,その後に行われる各教科等の学習に興味や関心,問題意識を持って取り組むと考える。 | |
・「自らの手で町づくりを行おうという意欲をはぐくみ,上越市を多面的・多角的にとらえる」ことが可能な学習活動を構想する。 |
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6修学旅行に向けて事前学習を行おう。 |
6〜 9月 6時間 10〜11月
4時間 1月 2時間 |
2.具体的な「選択学習」の実践例 |
(選択学習桜城セミナー) |
・生徒一人一人の自由な発想に基づく学習活動を認め,支援する学習。 |
・ねらい | 「将来の自分の生き方を視野に入れながら,自分で課題を見つけ,それを自分の力で解決していこうとする心情や態度」をはぐくむ。 |
・具体的な学習課程→ テーマ設定,追求,発表,卒業論文作成 |
・実践の工夫 |
@ | 追求テーマを決定するまでの支援 |
(自己選択,自己決定力をはぐくむ手立て) | |
生徒がなぜそれを選んだのか,それが自分の生き方とどのようにつながっていくのか しっかりと考えることができるように支援する。 | |
A | 運営方法の工夫 |
(計画,実行,評価する力をはぐくむ手立て) | |
テーマ決定後,どのような手順で,どのように情報収集し,どのようにまとめていくかという計画を立案し,自ら実行し,それを評価しながら軌道修正を図ることができるように支援する。 | |
B | 発表会の設定と相互評価の促進 |
(評価する力,発表力をはぐくむ手立て) | |
自分の追求してきたことを聞き手に分かりやすく伝えるために,生徒がそのときどきの追求をまとめ,自分の追求内容を振り返ることができるように支援する。 |
平成8年度のテーマの一例 |