| 熊本大学教育学部附属中学校の実践事例 |
| 住 所 | 熊本市京町本丁5番12号 | 郵便番号 | 860-0081 | ||
| 電 話 | 096-355-0375 | FAX | 096-355-0379 | http://www.educ.kumamot-u.ac.jp/junior/ | |
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総合的な学習を表すタイトル |
| 豊かな創造性を育む授業 |
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キーワード,分類 |
| 豊かな創造性,生きる力,クロスカリキュラム,未来創造科,創造的活動の場 |
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総合的な学習に対する考え方 |
| 1総合的学習では,生徒の体験(実感を伴った理解)を重視しながら,社会の要請をも具体化してゆく。
2総合的学習は,単に社会の要語をテーマとして学習するものではなく,教科で学習したことを発揮する場として考える。 |
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総合的な学習の目標(目指すもの) |
| 変化の激しい社会において,自己実現をめざし,種々の課題や問題の解決に向けて情報を組み合わせ,総合し,個人及び社会において新しい価値を生み出すことのできる能力・態度を育む。 |
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総合的な学習の実践形態 |
| 1「各必修教科」において,教科固有の学習内容・技能を基礎・基本として育成する。
2「教科総合」といわれる関連的指導・合科的指導による「総合的学習」で,教科間の学習のネットワーク化・共有化を図る。 3「未来創造科」といわれる,社会の要請等をテーマとした教科等の枠を越えた「総合的学習」で,学習の総合化をめざす。 |
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推進組織 |
| 各学年,各教科担任 |
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文献 |
| 熊本大学教育学部附属中学校研究紀要第41集(1998) |
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コメント(実践から参考になること) |
| 「豊かな創造性」の要素を詳細に分析し,「クロスカリキュラム」の綿密な設定と,生徒の主体的な活動を重視して学習内容が構成されている。教科の枠を越えた幅広い分野の学習を基盤とした豊富な具体的実践例がある理論・実践ともにすぐれた研究である。 |
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1.豊かな創造性と,それを育むためのアプローチ |
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基礎・基本の習得を前提として,「豊かな創造性」の要素を,創造的態度の中核として主体的・独創的・協調的態度の3つを,創造的能力の中核として感受・思考・活用能力の3つを,創造的技能の中核としての表現技能ととらえ,各教科で育んでいる創造性の要素を集めつなぐ「総合的学習」を設定する。 |
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2.豊かな創造性を育むための創造的活動の場 |
| 次のような場面を設定し,これらの学習の積み重ねが「豊かな創造性」を育み,「生きる力」の育成につながると考えている。これら3つの創造的活動の場が,「創造的態度」・「創造的能力」・「創造的技能」を高めることに役立つ。 |
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3.創造的活動のプロセス |
図のような創造的活動のプロセスは,学習 意欲に支えられた感受性により情報や刺激を受け止めることによって開始され,さらに思考が促され,「直感的思考」・「論理的思考」・ 「拡散的思考」・「集約的思考」などが用いられ,情報の分析や再構成を含む活用能力が駆使される。新しくつくられた情報は,他者に対して発信されるが,発信にあたっては表現技能が重要となり,協調的態度も重視される。 |
創造的活動のプロセス |
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4.各教科における「創造的活動のプロセス」を取り入れた学習過程 |
| 1情報を得る過程 |
| 2情報メディアの活用の過程 |
| 3得られた情報から新しい情報を創り出す過程 |
| 4自己の情報を表現する過程 |
| 5相手に自己の情報を理解させる過程 |
| 6情報が相手に理解され,合意を形成する過程 |
| 以上の学習過程に最適な方法として,「問題解決技法」を利用する |
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5.必修教科と選択教科での総合的学習 |
| 必修教科での総合的学習を「教科総合」,選択教科での総合的学習を「未来創造科」とした上で, | |
| 1 | 生徒の体験を重視しながら,社会の要請をも具体化してゆく |
| 2 | 単に社会の要請をテーマとして学習するものではなく,教科で学習したことを発揮する場として考える |
| という2点を重視している。 | |
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6.必修教科での総合的学習=<教科総合>の基本的構想 |
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「豊かな創造性」の要素を各教科のねらいから検討した上で,次のような観点で教科と教科を結んでいる。 |
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| ○社会 ○自然 ○文化・生活 |
○表現 ○記号 ○画像 ○音声 ○身体動作 |
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また,<教科総合>を |
(1)接続型(学習の深化や発展が期待できる) |
| (2)合科型(複数の視点からのものの見方を育てる) | |
| (3)融合型(新しい総合学習をつくるモデルとなる) | |
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の3類型に分け,教科内・教科外ティーム・ティーチングによる各教師の専門性を生かし,生徒のよさや可能性を引き出すことを目標の1つにしている。 |
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7.選択教科での総合的学習=<未来創造科>の基本的構想 |
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「豊かな創造性」を育むための<未来創造科>は,各教科や教科総合の学習によって育まれた豊かな創造性の要素を総合的に高めてゆくために,情報の収集・再構成・発信という情報創出表現型の学習を設定している。そして,以下の3つの能力・態度の育成をねらっている。 |
| ・主体的な学習態度(自分の力で進んで調べていこうとする) |
| ・情報の創造力(課題解決のために情報を組み合わせ,新しい情報をつくる) |
| ・表現の力(調べたことを他の人にわかりやすく説明する) |
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〇未来創造科のテーマとコース |
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「環境」・「国際理解」・「福祉」・「健康」・「科学技術への対応」・「創作表現」の6つのテーマを,5の視点から設定し,10のコースを設定して,生徒に選択させることにしている。 |
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さらに,「未来創造科」をスムーズに運営するために, |
| (1) 全コースに共通する「活動の流れ」を設定し, |
| (2) 数時間ごとの活動のまとまりである「ユニット」を導入している。 |
| ○未来創造科の活動の流れ |
| | | 気づこう・見つめよう | 問題の発見・課題認識の場 | |
| | | 考えよう・育もう | 手段・方法認識の場 | |
| | | 求めよう・深めよう | 実践活動・体験の場 | |
| | | 創造しよう・表現しよう | 発表・評価の場 | |
| ↓ | 生かそう・広げよう | 一般化・生き方を考える場 |
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○「SAVE OUR 熊本の名水」コース 活動の流れとユニットの位置づけ例 |
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8.総合的学習としての「未来創造科」の各コースの学習内容とねらいをどう説明するか |
次の表のように,体験する・知る・行動するの3要素を通じて,さまざまな「生きる力」を育むことができると考えている。 |
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