Science Partnership Project

 高大連携

2009

 

広島大学附属福山中・高等学校

 

 

 SPP指定事業   「大地の歴史を自分の手で明らかにしよう」

        講師 岡山大学理学部地球科学科 准教授     鈴木 茂之先生

        日時 10月の土日,2日間

     対象 全校生徒希望者

この講座は,私たちの住むこの大地がどのような歴史を経て現在の姿になってきているのか,そのようすをさまざまな証拠から解き明かしていく「地質学の方法」を学ぶことをねらいとする。

 この講座では,広島県東部から岡山県西部にかけて分布する地層を題材として,それらの観察をもとに,自分たちの住む地域の「大地の歴史」を解き明かすことに挑戦させたい。

 第1日の講座では,主に室内で地層から読み取れるさまざまな現象や,地層に見られる特徴について学習する。例えば,礫岩層の礫の分析から,かつてそこを流れていた河川の流路を推定する手法について学ぶ。また,化石をもとにした研究の手法について学び,実際の学校周辺のれき層の観察や礫のインブリケート構造で古流向を測ったり、礫の岩石種の鑑定による礫種組成のとり

かたを実習し,生徒自らの手で,大地の過去の様子を解き明かしていく。

 第2日の講座では,野外で地層を観察し,その結果をもとに生徒それぞれが過去の大地の変遷についての推論を展開し,歴史を明らかにしていく実習をおこなう。また,石灰岩の採石場で化石の採取をおこない,それらを同定,分類していくことを経験し,採取した化石をもとに古環境を推定して大地の過去のようすを明らかにしていくことを体験させる。

 

 

 SPP2次募集申請「未来を拓くマテリアルサイエンス」

       講師  愛媛大学 教授  栗栖 牧生先生

       日時  12月中  1日または2日間

       対象 全校生徒希望者 

マテリアルサイエンスは,金属や有機物などでできた材料に関して,その構造や性質を分析し,そのメカニズムを明らかにしたり,機能を持たせた新しい素材を開発する学問で,対象となる物質・材料は多岐にわたる。また,広く社会で用いられている磁性体や超伝導体,熱電素子などの物質はこのマテリアルサイエンスの研究の成果によるものである。

 この講座で,上記のようなマテリアルサイエンスの研究の一端に触れ,その研究成果が実社会・実生活に役立てられていることを知るとともに,マテリアルサイエンスに関する興味・関心を高め,多機能物質のさらなる利用や社会への貢献について考えさせることをねらいとする。

 

 

 出張講義 「森の植物10人のお友達」

    講師 岡山理科大学学長 波田 善夫先生

    日程 627(土)【予定】

    対象:45名(中学2年選択理科受講者対象)

わが国は東アジアに位置しており,西日本はシイ,カシ,クスノキなど,表面に光沢のある葉をもつ樹木が中心となる照葉樹林の成立する気候帯に属している。ドングリや祭礼に用いられる榊など,例をあげればきりがないが,私たちの生活,文化はこの照葉樹林を構成する植物と深いかかわりをもってきた。しかし近年,森林が減少し,私たちの生活も変化してきたことで,これらの植物に対する関心は急速に失われつつある。

本講義では身近な森林の植物10種類をとりあげ,植物の葉の形,質感,臭い,特性などの項目を観察し,これらの植物への興味・関心を喚起するとともに,形態観察の基本を身につけ,植物分類の基礎を学ぶことを目的としている。