2006年度
公開教育研究会のご案内
〜終了しました〜
多数のご参加ありがとうございました。
研究会全体テーマ
確かな学力を育てる教育課程の創造
− 科学を支える「リテラシー」の育成をめざして −
期日 2006年 9月29日(金)
主な内容
◆午前:公開授業(中学校・高等学校)
・教科(国語,社会,数学,理科,保健体育,技術・家庭,美術,英語)
当校は文部科学省委嘱 研究開発学校に指定されています。
(平成18年度〜平成20年度)
研究テーマ
「中等教育における科学を支える「リテラシー」の育成を核とする教育課程の開発」◆午後:
・分科会(各教科・・・サイエンスプログラムを含む)
・講演会
<演題>
「人間力とリテラシー」<講師> 文部科学省初等中等教育局視学官
大杉 昭英 先生
現在の社会状況や子どもの課題をふまえ,「リテラシー」を育成するという視点から,これからの学校教育やカリキュラムのあり方について,ご講演いただく予定です。
◆日程:2006年9月29日(金)
受 付 9:20〜9:50 公開授業T(各教科およびサイエンスプログラム) 9:50〜10:40 公開授業U(各教科およびサイエンスプログラム) 11:00〜11:50 昼食・休憩 11:50〜12:50 分科会(各教科・・・サイエンスプログラムを含む) 12:50〜14:30 講演会 14:50〜16:10
各教科の公開授業および分科会の内容
国語科
当校国語科では、これまでも中・高の校種や、現代文・古典などの領域を超えて、教材(テキスト)の表面に現れている主題・主張を追うだけでなく、生徒の「ものの見方」そのものを広げる「ことばの学習」をめざしてきました。過去3年の「サイエンスプログラム」では、「科学的思考力」や「論理」ということを切り口にしてきましたが、今年は新たに「リテラシー」という観点も加えて、生徒たちの「ものの見方」に迫ってゆきます。
研究授業で取上げる教材は、中学校では古典(説話)、高等学校では漱石の「こころ」です。文学的文章の定番教材から、生徒たちが「ものの見方」を問い直し、自分と世界とを新たにつなげてゆく授業を提案したいと思います。
社会科
「社会を見つめる眼を育てる授業研究」というテーマで提案します。
中学校の公開授業では、社会科地理的分野で環境問題としての酸性雨をとりあげ、特にその原因を地理的技能も用いながら探求してゆきます。
高等学校は、世界史Aの導入単元として開発した授業です。授業は、フェレイラの故郷を訪ねて長崎からポルトガルへと展開し、「隠れユダヤ」を通して近世ヨーロッパの君主国家の解明へと向かいます。
分科会では広島大学の小原友行先生に「『リテラシー』を育成する中等社会科学習の開発」と題して講演していただきます。
数学科
当校数学科では考える力を高めるために様々な教材を開発してきましたが、その一部を発表します。またサイエンスプログラムは全体のテーマですが数学科もそれに関連した発表を行います。中学2年生では1次関数を見つける授業を、高校2年生では授業を通して科学的リテラシーについて考えさせる予定です。また当校数学科では長年、広島大学理学部主催の中高生科学シンポジウムに参加してきましたが、それについての取り組みを発表します。いずれの授業・発表も教科テーマにふさわしいものになっています。ぜひ参加をお願いします。
理 科
科学的思考力を育てる理科授業を展開しています。発展的な内容を取扱い、生徒の問題解釈、問題解決の能力を高めるサイエンスVの取組みを高校2年生と中学校3年生で公開します。高校2年生では、電解質や金属の組み合わせの条件を変えながら、起電力に差が生じることを調べる活動−化学的に探究する方法−を通して、電池の概念を理解させ、科学的思考力、判断力の育成を図ります。中学校3年生では、熱がエネルギーの出入りの一形態であることを捉え、簡単な熱機関を製作し、エネルギーの移り変わりを考えていきます。
保健体育科
「かかわりの中でお互いの学びを育てる体育授業」というテーマで研究授業と研究協議を行います。自己を表現することや、他者との関係を結ぶことが苦手な生徒が増えてきている現状をふまえながら、生徒どうしがかかわりあいながら学習を深めていけるような授業を提案したいと思います。中学1年生の女子の陸上競技(短距離走)では、グループ内で自己や他者の動きを確認しするなかで、自己の身体の感覚を高め、お互いの走る技術を伸ばしていけるような授業をめざします。高校1年生の男子のマット運動の授業では、昨年の高校2年生女子のグループマット運動を発展させて、グループの演技を構成するなかで、お互いの技能が上達できるような授業をめざします。
技術・家庭科
今年度は技術・家庭科合同で、公開研究会を開くことになりました。お互いに少し違った視点での授業参観のご意見を聞かせて頂くことができ、新たな発見が生まれてくるのではないかと、期待しています。技術科では、コンピュ−タ−の内部を実際に見せながら、その構造を科学的にわかりやすく学習する授業を、家庭科では、昨今問題となっていますコミュニケ−ション能力の向上に視点をおいた保育の授業を計画しています。
美術科
人間が視覚的に最も美しいと感じる比率である黄金比率をテーマにして、美術作品を論理的・科学的な視点から考察していきます。
芸術作品ならば、どれにでもその裏に黄金比率が潜んでいるのか。それとも、黄金比率があるところには、いつも遠からぬところに美が存在するのか。多くの芸術作品に見られるものなのか。それとも、すべては間違った空想なのか。自然界や芸術作品の中に隠された黄金比率を探り、それを基に自分で制作していき、様々な疑問を検証していく活動を行います。
英語科
中学校1年生では、「現在進行形」の学習を通して、英語で場面を伝えたり、たずねたり、説明したりすることができる力をつける授業を提案します。
高校2年生(リーディング)では、生徒の読解活動が逐語訳にとどまることのないように、パラフレーズを利用し、文章を正しく理解する読解力を育成する授業を提案します。
また、研究協議の後半には、最近の話題でもある「学習の動機付け」に関する意見交換を予定しています。
研究開発「サイエンスプログラム」(各教科の中で扱います)
当校では平成15年度より3年間,文部科学省の研究開発学校の指定を受け「中学校・高等学校を通して科学的思考力の育成を図る教育課程の研究開発」をテーマに研究開発を行ってきました。この科学教育「サイエンスプログラム」は,すべての教科が関わりを持って,科学的な思考力や資質・態度を育むことをねらいとした中学校・高等学校6カ年のカリキュラムです。
また,平成18年度からはこの研究開発の延長が認められ「中等教育における科学を支える「リテラシー」の育成を核とする教育課程の開発」をテーマにさらに3年間研究開発を行うことになりました。
下記はこのプログラムの主な枠組みです。
「サイエンスプログラム」は理数教科だけがおこなうのではなく,すべての教科と総合的な学習において,それぞれの多様なアプローチによって科学的な思考力を育むためのプログラムを実践するものです。
「科学的な思考力」とは,様々な能力が総合化されたものであると考えています。その幾つかを焦点化すると次のようになります。・ 科学に関する事物・現象に関する知識の定着
・ 科学・技術への興味・関心・態度
・ 自然や社会の様々な事象を解決していく能力
・ 課題発見,主体的に判断し解決していく能力
・ 読解力,表現力,コミュニケーション能力
・ 自由で豊かな発想力,創造性,独創性
・ 科学と人間・社会との関係を俯瞰的・総合的に捉え,自己との係わりとして考察する能力「サイエンスプログラム」は教育課程の中に下記のように組み込んで,取り組んでいます。
◇中学2年,高校1年に新教科「サイエンスT」
先進的な科学・技術に触れ,数学と理科の各分野をベースとした総合的な科学教育をおこないます。
◇総合的な学習の時間に「サイエンスU」
学習指導要領にとらわれない,多様で発展的な内容を取り入れた科学教育をおこないます。
◇各教科で「サイエンスV」
すべての教科において,科学技術とリンクした教材を開発し,多面的な視点から科学について学びます。
(サイエンスプログラムの構造図を参照)
生徒たちには,「サイエンスプログラム」のなかで科学・技術の基盤となる能力を高め,科学への興味・関心を持ち,科学的な思考力を伸ばしていってほしいと思います。
教 科 |
研究主題 |
国 語 | 学習者の世界を拡げる「ことば」の学び |
社 会 | 社会を見つめる眼を育てる授業研究 |
数 学 | 数学的な観点に立ち,考える力を高める教育実践(U) |
理 科 | 問題解決力や科学的思考力を高めるための理科授業 |
保健体育 | かかわりの中でお互いの学びを深める体育授業 |
技術・家庭 | 科学的思考力を育て実践力を高める授業 |
美 術 | 「科学と芸術」 −科学的に美を考える− |
英 語 | 確かな学力を育てる英語授業の創造 |
教 科 |
公 開 授 業 |
||||
時限 |
学年・クラス |
授 業 内 容 |
授業者 |
会 場 |
|
国 語 |
T |
1・B |
古典の学習を通して,現代に生きる意味を考える |
金子直樹 |
1B教室 |
U |
5・D |
サイエンスV 「こころ」を読む −「わたし」の「責任」の問題をめぐって− |
石井希代子 |
5D教室 |
|
社 会 |
T |
4・A |
”隠れユダヤ教徒”と近世君主国家 |
森 才三 |
社会科教室 |
U |
2・C |
環境問題の原因を考える−酸性雨を例に− |
土肥大次郎 |
社会科教室 |
|
数 学 |
T |
2・B |
1次関数を見つける |
村上和男 |
2B教室 |
U |
5・C |
サイエンスV 「命題と論理」を題材として 〜科学的リテラシーについて考える〜 |
後藤俊秀 |
5C教室 |
|
理 科 |
T |
5・T群 |
サイエンスV ダニエル電池 |
野添 生 |
化学教室 |
U |
3・B |
サイエンスV 熱のエネルギーとその移り変わり |
小茂田聖士 |
物理教室 |
|
保健体育 |
T |
4・DE男子 |
サイエンスV ひとりで,ふたりで,みんなでするマット運動 |
藤本隆弘 |
体育館 |
U |
1・AB女子 |
サイエンスV みんなで走りを科学する短距離走 −身体感覚からのアプローチ− |
高田光代 |
グランド |
|
技術・家庭 |
T |
3・B |
パーソナルコンピューターの構造 |
M賀哲洋 |
電気教室 |
U |
4・B |
サイエンスV コミュニケーション能力を高める保育の授業 |
高橋美与子 |
被服教室 |
|
美 術 |
U |
4・D |
サイエンスU 「科学と芸術」−科学的に美を考える− |
牧原竜浩 |
美術教室 |
英 語 |
T |
1・C |
Description, Question, Explanation 場面を英語で説明できる力をつける授業 |
多賀徹哉 |
マルチメディアホール |
U |
5・B |
パラフレーズを利用した読解指導 |
千菊基司 |
マルチメディアホール |
※当校は中学校・高等学校6カ年一貫教育を実践しており,中学校を1〜3年,高等学校を
4〜6年と呼んでいます。公開研究授業の合評会は,分科会に含まれています。
※授業内容の欄の「サイエンスT・U・V」と表記したものは,サイエンスプログラムとし
て取り組んでいる授業です。
■ 分科会 ※各教科名をクリックすると,分科会要旨を見ることができます。(pdfファイル)
教 科 |
分 科 会 |
||
内 容 |
指導助言者 |
会 場 |
|
国 語 |
授業反省および研究協議,研究開発について |
広島大学大学院教育学研究科教授 竹村信治 |
会議室 |
社 会 |
授業反省および研究協議 <講演>「リテラシー」を育成する 中等社会科学習の開発 広島大学大学院教育学研究科教授 小原友行 |
広島大学大学院教育学研究科教授 小原友行 |
社会科教室 |
数 学 |
授業反省および研究協議 <研究発表>「学年のまとめとなる教材の作成」 発表者 清水浩士 <研究発表>「広島大学理学部 中高生科学シンポ ジウムに向けての取り組みにおける リテラシーの育成」 発表者 甲斐章義 |
広島大学大学院教育学研究科教授 今岡光範 広島大学大学院教育学研究科助教授 小山正孝 |
A3教室 |
理 科 |
授業反省および研究協議 <話題提供> 広島大学大学院教育学研究科教授 角屋重樹 |
広島大学大学院教育学研究科教授 角屋重樹 広島大学大学院教育学研究科教授 前原俊信 |
生物教室 |
保健体育 |
授業反省および研究協議 |
広島大学大学院教育学研究科助教授 松尾千秋 広島大学大学院教育学研究科助教授 東川安雄 |
保健教室 |
技術・家庭 |
授業反省および研究協議 |
広島大学大学院教育学研究科教授 山本 透 広島大学大学院教育学研究科教授 柴 静子 |
被服教室 |
美 術 |
授業反省および研究協議 |
広島大学大学院教育学研究科教授 内田雅三 |
美術教室 |
英 語 |
授業反省および研究協議 |
広島大学大学院教育学研究科教授 深澤清治 広島大学大学院教育学研究科助教授 松浦伸和 |
5B教室 |
参加費 無料です。
資料代 2000円(資料を希望される方のみ)
資料の内訳(研究会要項・研究紀要・高大連携授業報告書):予定
◆お問い合わせ先
広島大学附属福山中・高等学校 研究部
〒721-8551 広島県福山市春日町5丁目14番1号
E-mail fkenkyu@fukuyama.hiroshima-u.ac.jp
TEL 084-941-8424 FAX084-941-8356
◆交通のご案内
・JR福山駅下車 バス約20分 タクシー15分
−バス(福山駅南口 中国バス 井笠バス)
5番のりば「緑が丘経由 鋼管行き」
12番のりば「深津経由 大門行き(笠岡行き)」
17番のりば「高屋団地経由」 すべて広大付属校前下車
・JR東福山駅下車(普通列車のみ停車) バス5分 徒歩約20分○学校周辺の道路略図1(画像)
○学校周辺の道路略図2(画像)
○福山への交通(福山市広報誌「ふくやま」から掲載)(画像)
○校舎配置図(画像)