文部省高等学校教育課程研究指定校 研究成果報告書 広島大学附属福山高等学校

(6)保健体育科

1.研究主題 「自らが取り組む選択制授業のありかたと評価」

2.研究実践の内容

 当校保健体育科では,1981年から生涯体育を視点においた選択制授業に取り組んで来た。その後,陸上競技の選択制を導入したり,部分的な改変を加えながら次の3点を基本に選択制授業を行っている。

 低学年で必ず学習した種目であること。(経験のない種目を生徒に主体的に学習させることには無理があり,生徒は戸惑うだけで学習効果は上がらないと考えている)

 一教師一種目を原則とすること。(選択制であれ,教師の指導・援助無くしては授業 は成り立たないし,一教師が多種目を指導することは放任に結びつく危険性もある)

 一種目を比較的長い時間をかけて学習すること。(生涯を通して,日常生活の中に積 極的に運動を取り入れ実践していくには,個々の生徒が自信をもってできるだけの技能 を身につけることが必要である)

1997年度のカリキュラムは,次の通りとした。

当校が「領域内選択」や「一教材一教師の原則」といった一見こじんまりとした形式にこだわり続けるのも,それ以上に間口を広げてしまったときには教師に生徒が見えなくなり,授業が成立しなくなることを最も恐れるからである。選択制授業では,学習ノート(球技ではグループノート,陸上競技では個人ノート)を利用して,学習の計画,実践,反省を生徒自身が行うようにしている。1時間の授業=「表の指導」を成立させるためには,その何倍もの時間と労力を陰で払って,学習ノートをもとに「裏の指導」を十二分に行うことが必要だからである。そこまでやって,教師は生徒一人ひとりが見えてくるし,生徒もまた様々なことを考え伸びるのである。学習ノートに記述することは,そういう意味で,教師にとっても生徒にとっても非常に重要である。さらに,習得した技術を客観的に評価できる客観テストと得点表を作成し,学習目標を明確にし,生徒の学習意欲を高めるようにしている。

 

3.今後の課題

「選択制授業」はやりさえすれば,成果が上がるものではない。選択制授業にはいるまでの,主体性や学習意欲の育成が出来ていることや,「裏の指導」ができる環境,生徒の希望が叶えられる施設・設備などの人的・物的整備が必要である。選択制授業の陰と光を十分に認識しながら生徒の内面に「未来を主体的に切り拓く確かな力」を育てるような教育実践を今後も検討し続けたい。

 

(7)芸術科

1.研究主題

<音楽科>日本の伝統音楽における鑑賞意欲の育成と評価の研究

<美術科>コンピュータを活用した表現活動における授業編成と評価の研究

<書道科>自ら学ぶ意欲を育てる『漢字仮名交じりの書』と評価の方法を考える

2.研究実践の内容

<音楽科>鑑賞の授業で日本の伝統音楽を扱う場合に,単なる知識に終わらせず,その内在する面白さ,素晴らしさを生徒に感じ取らせながら,主体的な鑑賞態度を養って行く手立てをこの研究で探った。その方法として,日本の伝統音楽の中で,さまざまな要素が凝縮されている歌舞伎を題材として取り上げ,鑑賞の事前事後に生徒の意識調査や理解度の確認を行って,どういう情報や働きかけが生徒の主体的な鑑賞態度を促す要因となるのかということに主眼を置いた。

<美術科>授業の年間カリキュラムにおいて,平成7年度よりコンピュータ活用の基礎的な研究を始め,平成8年から実際の授業でのコンピュータ活用の目的やねらいと具体的な教材内容を検討し,グラフィックツールの活用とインターネットの教育利用などについて関連づけながら実践的研究をおこなった。高校1年生ではペイント系のソフトウェアーを活用して描画や画像の構成とレイアウトを中心とした表現活動,高校2年生では3次元グラフィックツールを活用した立体構成やモデリング,さらに,インターネットを利用した鑑賞学習やホームページによる情報の発信(作品発表)などの授業を展開した。

<書道科>「漢字仮名交じりの書」を「古典・古筆」からの展開としてとらえた。毛筆の特性をいかしながら「漢字仮名交じりの書」を創造しようと考えた。「古典・古筆」を臨書する場合にも,名作をそのまま写し取るというのではなく,先人の工夫を読み取っていくという視点にたっておこなった。そして,それらの筆づかい・線質等を参考に現在われわれが使用している文章を,われわれの工夫した表現によって,書作品として定着させるよう試みた。

3.成果と課題

<音楽科>昨年度は生徒の日本の伝統音楽や歌舞伎に対する意識調査から始め,歌舞伎の概要や約束事,見所等の説明をした上で歌舞伎を鑑賞し,鑑賞後は理解度の確認や感想によって生徒の反応を分析した。今年度は,それらに加え,歌舞伎に使われる音楽や楽器に注目させ,能や文楽とも関連させて幅広い視点から鑑賞をおこなった。その結果,題材を精選し,適切な解説を与えたり生徒の実態に応じた興味づけをすることによって,生徒は教師側が予測する以上に日本の伝統音楽に親しみを感じ,積極的に鑑賞しようとする態度が見られた。特に歌舞伎の約束事や見所は,VTRを多用して歌舞伎の持つバラエティーの豊かさに注目させ,同時に,例えば市川猿之助の宙乗りなどの演出を取り入れた歌舞伎のように,現代に通じる面白さを強調することによって生徒の興味関心を高めることができた。また,音楽的な側面では,長唄中心の演目と義太夫節中心の演目を比較させることでその特徴をつかませ,楽器を実際に見せたり,音を聞かせたりしてその特徴や歌舞伎の中での重要性に目を向けさせた。しかし台詞や唄の中の言葉が分かりにくい,聞き取りにくいという生徒の声が多く聞かれ,歌舞伎の鑑賞には言葉のネックの問題を解決しなければならないことや,高校生が鑑賞するのにふさわしい題材を精選することなどが課題として残された。

評価に関しては,生徒の自己評価による理解度を基本とし,それに加え,感想文などから読み取れる一歩踏み込んだ鑑賞の姿勢を高く評価した。一例を挙げると,「三味線のさわりの音」「ツケなどの効果音」「客の掛け声」などの音楽以外の要素に注目した生徒が

いたが,このような非楽音や「間」こそが日本の伝統音楽の重要な側面であるので,それらの生徒の感想や気付きをクラス全体に紹介することによって,教師側の一方的な解説になることを避けた。

<美術科> コンピュータは,生徒の造形表現活動において,「自ら課題を発見し,試行錯誤を繰り返しながら解決する」自己学習力を培う上で,「思考と創造」を支援する道具としての有用性がある。例えば,画用紙と絵の具などの描写と違って,キャンセルやカラーチェンジなど描き直しが容易であり,制作途中の状態を記録ディスクに保存しておけば,いつでもある時点に戻ることができるため,現状の制作段階を壊すことなく思いついたことをすぐに試してみることができる。今までの手法と比較して多様なプロセスが出現し,多くの試行錯誤が可能となる。また,コンピュータを活用することにより,情報化社会におけるビジュアルコミュニケーションのリテラシーを伸長することが可能である。造形表現ツールとしての活用を通して,高度情報化社会におけるビジュアルコミュニケーションの教育的意味合いの深さを認識し,そのリテラシーの育成を重要視することが大切である。色や形といった造形言語は国際間のコミュニケーションを成立しうる大きな要素として教育内容に取り入れなければならない。

 一方,コンピュータは構想や表現,コミュニケーションのツールとしての有用性は高いが,この活動はある意味では架空の体験であり,直接体験による表現活動とは本質的に異なることを認識しておく必要がある。素材とからだのとの直接的な交わりがなく,コンピュータのディスプレイに広がる実体験を伴わない仮想の世界で描き,コミュニケーションをおこなう。希薄な現実感,感触や温もり,痛みといった感覚の欠如。TVゲーム機を含め多くの情報機器が氾濫する今日,このような活動のみが展開されるとすれば,人間教育としての大切なものを見失うことになるであろう。直接体験の学習との関連や目的を明確にした展開が重要となる。

 評価については,作品制作(思考)のプロセスを記録できるため,生徒自身による自己評価および教師の評価の上で,従来の方法と比較して多面的な把握が可能である。また,作品を相互に鑑賞しながら,それぞれの表現意図の違いや創意工夫のよさを認め合うといった評価の試みは,「異質なものの理解と共生」へと発展する。 

<書道科>書作品として文字を書く場合,生徒は何かを手本としなければならないと考えている。今回の試みは,自分たちの手で表現するということに重点を置いたので,主体的に取り組めたのではないかと思う。はじめは,硬筆的な表現になっていた生徒が多かったが,古典・古筆等を参考に,それぞれ工夫をして面白い作品に仕上げていった。墨色・線質・文字の造形・全体の構成という基本的な要素が理解できたようである。

 課題としては,古典・古筆を直接いかした「漢字仮名交じりの書」の創造は困難であったことがあげられる。古典・古筆と現在の文字の差を埋めるために,どうしても現代の作家のやり方を参考にしなければならなかった。今後は,その展開の部分に時間をかけて,生徒の自主性をさらに育てていきたいと思う。

評価については,美術科と同様,そのプロセスを毎時間提出させるという形で,記録として残した。さらに,制作過程でも作品の相互鑑賞をおこなった。最終的な作品の仕上がりよりも,どのような表現の意図をもって,具体的にどう工夫したのかということに重点をおいた評価を試みた。

 

(8)家庭科

1.研究主題 「家族・家庭生活の価値観の形成と評価」 2.研究実践の内容  

(1)研究のねらい

 我々の生活の基盤は、家庭生活であり家族集団である。ところが、今日は家庭状況及び家族形態が多様化する中で、ともすれば本来の家庭の機能が喪失したり、家族の絆が希薄化している状況にある。生まれ育った家庭環境を基に成長し、将来へ向けての生き方.価値観が備わっていくわけであるが、今日の高校生の生活状況をみてみると、時間的にゆとりがなく目先のことあるいは自分のことで精いっぱいで、家族の一員としての役割を果たしたり、共に支え合っているという姿勢は弱い。多くの者は、受け身姿勢で、視野の狭い考え方に陥った生活である。このような生育環境のもとでは、決して豊かな人間関係・家族の絆を深めていく価値観は育まれ難いであろう。

 この度の学習指導要領では、“家族や家庭生活”に関する学習について小・中・高通して一貫性が図られ、この分野についての学習の大切さが示されている。家庭科教育を担当する者として、知育に偏った今日の高校教育において、偏りのある視野の狭い生き方を見つめ直し、将来を見通して温かい人間関係、心豊かな生き方を考えていく家庭科の学習の重要性・使命を痛感し、男女共修となったことを歓迎している。

 そこで、本研究では「家族・家庭生活」の学習を家庭科教育の中核に据え、温かい人間関係を大切にする価値観を目指すと共に、前向きに考えていく姿勢が培われるように、意見交流の場や、家族のみならず普段接する機会の少ない人々との交流の場を設け、さらに、自己評価によって自己の行動を振り返り、意識・行動の変革を目指す実践に努めてみた。

(2)自己評価の方法

1)学習の初期に、自らの家庭生活や家族との関わりについて見つめ直し、気付きをま とめさせる。

2)自分が求めている家族・家庭像をイメ−ジし、生活設計を立案させる。 

3)学習のまとめとして、生徒の生活設計をもとにモデルプランを作成し、授業実践をする。

4)「家族・家庭生活」の学習後、意識・行動の変化を自己評価させる。

結果、男子の変化が大きかった。また、積極的行動としての変化より、今まで気付かなかったことに気付き、意識として分かったり、気持ちの上でやろうとする域に達した者が多かった。今後は、さらにデイスカッションの場や実体験の機会を設けることが有効であると考える。

(3)体験学習の実施( 高齢者との交流、乳幼児との交流)

   

3.成果と課題

今後も、学習の初期に「家族・家庭生活」について考え、他の分野での学習において、問題意識を持って学習に臨むようにしていきたい。

 [指導教官のコメント]

 「家族・家庭生活」分野は重要であるにもかかわらず指導が難しい。本研究は、この分野の本質的な価値の形成を目指した貴重な授業研究の試みである。

本研究では扱いきれなかった将来的な課題としては、生徒自身の生活実感に基づいた理解を、諸外国の動向をも含む社会全体についての広がりと、客観的な理解にまで高めることおよび生活実践への深まりへつなげることを期待したい。

  

(9)工業科

1.研究主題

 『高等学校普通科における「情報技術基礎」の学習指導 −学習内容の構成と評価− 』

2.研究実践の内容

 工業科における新学習指導要領では,我が国の産業の各分野における情報化の急速な発展に対応する必要から,「情報技術基礎」の科目が新設され,情報に関する知識と技術の基礎を習得させることとなった。情報技術基礎」は,原則として工業に関する各学科において履修させる科目であり,職業に関する各教科の情報に関する教育の充実を図るため,各専門分野の情報に関する学習の基礎となる科目として,情報に関する知識と技術の基礎を習得させることを目標に新設されたものである。したがって,普通科でこの科目を実施するには,職業学科における専門教育と異なり,「自己の進路や職業についての理解を深め,将来の進路を主体的に選択できる能力の育成に主眼を置くことが大切」であり,また,他教科との関連や施設・設備,授業時数等の相違から,職業学科で行われるものと全く同じ学習内容で実施するわけにはいかないであろうことが予想される。

 このため,この科目の学習を進めるにあたっては,工業科での学習指導要領のねらいに沿いながら,普通科で実施する上での学習内容の構成や指導計画の作成などの課題が考えられる。さらに,効果的な学習成果を上げるためには,生徒の学習意欲を育てる評価の方法について研究をすることが大切であると考え,これらの課題の中で次の事柄について研究を進めた。

◎高等学校普通科教育課程で,「情報技術基礎」の学習を実践するための学習指導目標,具体的学習目標,授業の構成,学習指導計画の明確化

◎高等学校普通科教育課程で行う「情報技術基礎」の学習評価の方法

「情報技術基礎」の学習評価は,生徒の興味・関心の度合いやコンピュータ操作の経験の有無から生じる個人差,コンピュータの操作演習中および課題作品の評価等をどのようにするかなどの問題点が考えられる。そこで生徒の学習活動を客観的に評価できる方法について研究を進め,学習指導内容を細分化し具体的評価目標と評価基準を設定した評価表を作成した。

3.成果と課題

◎授業実践の結果として,生徒の授業に対する取り組みは,基本的にコンピュータの操作やプログラミングに経験のない生徒であったが,特にBASICプログラミングと日本語ワードプロセッサ演習,表計算演習,インターネットの興味・関心は非常に深く,学習に取り組む姿勢も積極的であった。普通科の2単位で実践する「情報技術基礎」は,生徒の興味・関心,他教科との関連,施設・設備,授業時数から考えると,学習指導計画で考えた学習指導内容で充分に「コンピュータの動作原理を知り,コンピュータを使用して何ができるのか,我々の社会生活の中でどのように活かされているのか」等を理解することができたように思われ,学習目標も達成できたのではないかと考える。

◎評価表の作成により学習成果を客観的に評価できるばかりでなく,これに基づいて生徒の学習活動を具体的に視点を定めて観察することができた。また,評価表は授業者が学習者を客観的に評価できるばかりでなく,学習者にとっても学習のねらいが定まり,何を学び何が習得できるかがより一層明確にされることがわかった。

 

(10)英語科

1.研究主題

 「オーラルコミュニケーションBにおける教育課程と評価の方法について」(含:ティームティーチング)

2.研究実践の内容

「自ら学ぶ意欲を育てる教育課程の編成と評価の方法の開発」というmain themeのもとにオーラルコミュニケーション(以下O/C)の授業における教材・展開・生徒の活動や評価の基礎資料となるテストの工夫を試みた。チィーム チィーチング(以下T/T)においては、O/Cとのつながりを持つ活動の工夫や、授業形態の工夫を中心にいくつかの試みを行った。

(1)授業の方針

今年度の授業を実践していく上での方針をいくつか設定してみた。

(O/Cの授業の方針)

1. テキストは、使用に当たって適宜順序や使用部分を選択していく。

2. 授業においては必ず生徒同士のcommunication活動(主にpair work)を取り入れる。

3. 生徒同士のcommunication活動は,学習したlessonのテーマに関係のある内容のものを生徒各自が創作しパートナーに伝えることを主眼とする.

4. 適宜テキスト以外の音声資料を導入する.

5. 授業レポートを生徒全員に書かせ、それぞれの授業における各自の自己評価をさせるとともに、次の授業への意欲を高める工夫を盛り込む。

6. 定期考査においても「正確な聞き取り」だけではなく、「聞き取った内容が評価のつながるような問題」や「一度聞き取った内容をどれだけ本人なりに文字として再構成できるかを問うような問題」の工夫を行う。

(T/Tの授業の方針)

1. 少人数からなるグループによる講師とのsmall sessionを導入する。

2. 第1学期においてはO/Cの授業と関連した内容の活動を行う。

3. 第2学期からは主に"Debate"を行う。

4. 授業レポートを生徒全員に書かせ、それぞれの授業における各自の自己評価をさ せるとともに、次の授業への意欲を高める工夫を盛り込む。

以上の基本方針のもとに授業を展開していった。

 (2)評価について

評価の主体と対象にはいくつかある。

a)授業者が自分の授業をどう評価するか

b)授業者が生徒をどう評価するか

c)生徒が授業における自分自身をどう評価するか

d)生徒が授業をどう評価するか

それぞれ評価の方法を工夫しなければならない。実践のうち数例を列挙しておく。

Speakingの力はinterviewによるテストが考えられるが、200名の生徒では時間的に無理がある。そこで1994年度に実践したことであるがテープに吹き込ませるという方法がある。

Listeningの力は定期考査における聞き取りの問題で測定できるだろう。

また、総合的なcommunicationの力を測定する方法として聞き取った情報を生徒各自で 再構成させる問題を提起考査に取り入れた。

生徒の自己評価は授業レポートで「充実度」という問いかけによって行わせようとしたがもっと具体的な設定にすべきであった。

3.成果と課題

これまでの授業実践を振り返って特筆すべき点、及び問題点を、O/C、T/Tそれぞれについてまと めてみたい。

(O/C) 特に力を入れた点は生徒同士のcommunication活動である。これは型にはまったやりとりの1部を抜いて、そこに生徒が自由に入れて会話をするものではない。言いたいこと(聞きたいこと)は前もって決めるが、実際に発話する場面では、事前に用意した英文を読むのではなく、その場で英語にしながら話すのである。

生徒はこちらの思いよりは遥かにスムーズに、しかも楽しそうに活動していた。会話表現の練習も必要かもしれないが今後もぜひ工夫を加えていきたい活動である。

課題としては次のことがあげられる。

・毎時間communication活動を行う授業展開が望ましい。

・1 lessonに3時間は時間配分としては多すぎたかもしれない。1.5時間くらいに絞 れればよいかもしれない。そのためにはテキストをグンと割愛または授業者の方 で再編集しなければならない。

・総じて生徒にはListeningが苦手だという思いが強い。それを克服させるためには 何か別の有効な方策があるのではなかろうか。

(T/T) 今年度はsmall groupによるsessionを実施した。これについては英語科教員、講師,そして生徒がきわめて好意的に受け止めている。

講師との親密度、相手の顔を間近に見ながらの会話、間違いを気にしなくてもよいという安心感と発言しなくてはという緊張感、実際の発言のチャンスなどいろいろな面で有効であった。今後ともこの手法を織り交ぜながら授業の組立を工夫し、実践していきたい。

(写真はsmall-sessionでの1場面)

W.今後の課題

高等学校の教育内容が多様化していく中で、生徒に知識や能力に加えて、内面的にも充実した、しっかりとした能力をつけていくことが求められている。教育課程の研究においても、各教科の目標だけにとらわれず、教育課程の全体構造の改革をも含んだ、幅広い考察が必要になる。当校においても、国際化・情報化・科学技術の発展など社会の変化に対応する教育のありかたについて、より具体的に教育目標や、教育方法を明らかにしていく必要があると考えている。

 

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