当校のSGHの研究開発では,グローバルリーダーに必要とされる資質・能力の育成に必要な教育方法,
教材の開発などを行うとともに,その評価について研究を行うことをねらいとしています。
 

Ⅰ 「グローバルコンピテンシーの評価」

 この研究では,「クリティカルシンキング(論理性や複眼性,問題発見力などを含む)」と「合意形成能力(問題分析力,創造性,交渉力,コミュニケーション力などを含む)をおおきな能力として設定しています。また,グローバルコンピテンシーを,クリティカルシンキング,合意形成能力を柱に「個性と文化の尊重」,「自己理解・自己管理」,「異文化コミュニケーション」,「連携とネットワーク」,「成果志向」の5つに整理して評価活動を行っています。
 具体的には,グローバルコンピテンシー(下の表を参照)を中学校1年から高校3年まで全生徒に示して共通目標とし,年2回の自己評価(自己分析)を行ってその達成度を計っています。   <グローバルコンピテンシーの評価項目>  下の表で示す項目が,グローバルコンピテンシーの評価項目です。これらについては,生徒・教員で共有し,より高い数値の項目をめざすように目標設定を行います。  

(表をクリックすると拡大されます)     <グローバルコンピテンシーの自己評価シート>  下の用紙が,グローバルコンピテンシーの自己評価シートです。生徒,教員で評価内容を共有し,これらがどのように達成できているのか自己評価をします。また,その結果はカリキュラム評価の資料としても活用しています。  

(表をクリックすると拡大されます) 当校では,生徒のアンケートなど,マークシート読み取り/採点ソフト「マーくん」を使用して処理を行っています。     <グローバルコンピテンシーの自己評価結果(2016年7月調査)>  下の表は,2016年7月に実施した,グローバルコンピテンシーの自己評価の集計結果です。1~6年全員の生徒を対象として実施しています。  

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Ⅱ 「問題解決能力の評価問題」

 また,高等学校ではグローバル課題に関連する調査問題を作成し,それに対しての記述やその推移などから生徒の問題解決能力などを計っています。   <問題解決能力の評価問題>  下の用紙が,問題解決能力の評価問題(例)です。  

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Ⅲ 「授業改善に向けた指導方法・学習活動の評価」

 学校内の授業(総合的な学習、新教科など)では,生徒間での意見交流やディベート,ロールプレイなど,多様で複眼的な意見を出し合って学びあう活動を行ったり,課題研究を進める中で班の中で意見を交わし生徒の創意工夫を育てる活動を行ったりして,生徒の意見を発表させ互いに意見を交換する集団づくりをどの学年でも行うようにしています。
 その中で,「思考・判断・表現」や「関心・意欲・態度」の評価については,成果物や定期考査などの問題(課題)を通してリーブリックに基づいた評価を試みています。
 また適切な時期に発表会を設けて意見を述べ合う場面を設け評価の対象としています。
 総合的な学習や新教科では、生徒の直接的な反応に加えて,共通して以下の内容のアンケートを実施し,授業の趣旨が伝わったか,効果的な学習につながったか,生徒の実態に即しているかなどを評価し,授業改善を行っています。
  アンケート項目(大変そう思う、そう思う、そう思わない、大変そう思わない の4件法)
1.この授業内容(科目)への興味・関心が持てた。
2.新しい考え方や視点がみについた。
3.深い思考ができるようになった。
4.班やクラスの中で意見を述べ合い議論する活動ができた。
5.社会的な課題を具体的に考えていくのに必要な知識が学べた。
6.社会的な課題を具体的に考える方法(考え方)が学べた。
   資質・能力の客観的な測定につながる評価方法は大変難しいと感じています。 行動分析や成果物の評価,自作の課題や問題に対する解答の分析,そして自己評価アンケートなど多面的な評価活動は行っていますが,客観的に妥当なものとなっているかなどの判断が難しいと感じています。

現在,ここに示している内容は,途中段階のもので
実践とともに,日々進化しています。
当校の教育研究会等で,最新情報を発信する予定です。