課題研究「提言」の理念


 課題研究「提言」は,当校SGHの全体テーマ「瀬戸内から世界へ! 世界から備後へ!」“Bridging the Seto Inland Sea and the Seven Seas”に基づき,社会科学分野,人文科学分野,自然科学分野など様々な内容から生徒自ら課題を設定し実施するプログラムです。
 すべての課題で,実地調査や実験などの実体験を盛り込むことが特徴です。これにより,グローカルイノベーションを実践させたいと考えています。また研究の結果をもとに社会等への「提言」を盛り込み,提言に当たっては,研究グループの構成員による提言の創出と,それらを討議しグループの提言としてまとめ,さらにグループ間の交流や海外の交流校との協働などを通して,合意形成や協調的解決の実践の場とします。
 

5年 提言・創造 2017 基礎講座「英語でプレゼンテーション」 2017.10.10


 2017年10月10日の7時間目に5年生全員を対象に,広島大学大学院教育学研究科のグローバル教育推進室より,Aaron C. Sponseller(アーロン C.スポンセラー)先生を講師にお招きして「英語でプレゼンテーション」という題目で,英語による講義をしていただきました。
 今日の講義では,「英語でプレゼンテーションを行う際のポイント」を分かりやすく,そして簡潔に説明してくださっただけでなく,「聴衆(Audience)=聞き手」を大切に,つまり意識したプレゼンテーションにするためのポイントも説明していただきました。
 講義では,スピーチとプレゼンテーションは大きく違っていることを例に挙げ,プレゼンテーションでは「発表者(Presenter)」「聴衆(Audience)」「スクリーン(Screen)」の関係(Pyramid)を意識することや,「発表者は聴衆に伝えたい内容を,ストーリーとして組み上げているか」や,「文字を極力使わず,ストーリー性のある図や写真をスクリーンに投影しているか」など“ストーリー”をキーワードに,プレゼンテーションをするにあたっての大切なことを伝えてくださいました。
 また,英語でプレゼンテーションをする際に大切なことは,「謝らないこと」を強調されました。母語でない第二外国語を用いてプレゼンテーションをすること自体困難であり,そのことを聴衆も十分理解して発表を聞いているからこそ,“Sorry to my poor English.”と謝るのではなく,「発表の機会をもらえて嬉しい」と感謝の気持ちを表現し,自信を持って発表することが大切だと教えていただきました。 プレゼンテーションを上達させるためには,“Practice Practice Practice!”であったり,立って本番のように声を出し,身振り手振りを交えた練習を繰り返すこと,そして先生や仲間たちに聞いてもらいアドバイスをしてもらうことが大切であることなどをお話しいただきました。また,先生や仲間たちのアドバイスは,「よかったよ」と褒めるだけではなく,「よりよくするためのアドバイス」であるべきだとの話もされました。
 講義後の質問では,プレゼンテーションをしていると,スクリーンにばかり聴衆が気を取られ,発表者の方を見てくれないといった悩みに対して,「一気に情報を流すのではなく,話すタイミングに合わせて情報を流してみるといい。」といったアドバイスをいただき,実りある1時間の講義となりました。
 現在,5年生は,課題研究の発表やIDEC連携プログラム英語によるプレゼンテーションを準備しているところで,今後に生かせる講演会となりました。
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5年 提言・創造 2017 SGH全国高校生フォーラムで発表 2017.11.25


 2017年11月25日(土)パシフィコ横浜で,2017年度スーパーグローバルハイスクール全国高校生フォーラムが開催されました。このフォーラムは,全国のスーパーグローバルハイスクール指定校(以下,SGH)とアソシエイトの123校が集まって行われました。フォーラムは3部構成で,第1部は基調講演,第2部は生徒によるポスターセッション,第3部はSGH指定校代表生徒によるディスカッション,第2部と3部の使用言語は英語でした。
 当校から参加した2名の生徒は,5年「提言Ⅰ」の授業で取り組んでいる成果を発表しました。異文化交流からみえるグローバル社会・日本への道をテーマに,日常生活における言語の活用能力や,異文化間の正しい相互理解ができているか等のアンケート調査を日豪で実施し,独自の手法でデータ分析を進め,異文化交流という観点から今の日本人の在り方と求められる能力について考察しました。
 審査員の方々,学校関係者,生徒,保護者など様々な立場の人たちが集まる中で行ったポスターセッションは,発表が4分,質疑応答が4分でした。その場で聞かれた質問に対して,即座に考えて相手に分かるように答えることは難しいのですが,2人とも懸命に対応していました。発表が終わってからは,審査員の方々から優しく声をかけていただく場面もあり,緊張したけれど達成感を得ることができたように思います。
今回の発表は5名で行っているグループ研究の途中経過を,2名が代表して発表しました。今後も研究を進め,その成果を来年2月17日に開催される,当校のSGH成果発表会で報告する予定です。

提言Ⅰ 2016 基礎講座 2016.05.17,2016.05.31


 2016年5月17日と31日の7時間目に5年生の「提言Ⅰ」を履修している生徒を対象に、広島大学大学院教育学研究科より松浦拓也先生をお招きして「課題研究の課題」「データ解析と統計」をテーマにご講演いただきました。
 5月17日は,「課題研究の課題」と題して,昨年度体験グローカルの課題研究より,課題研究における「目的の明確さ」と「方法の妥当性」の重要性について取り上げられ,目的として「何を明らかにするのか」,方法として「どのようにして明らかにするのか=どのようなデータが必要なのか」そしてそれが検証可能であるかなどを課題研究の進め方について説明いただきました。また,調査におけるデータとその解析の考え方について紹介いただきました。
 5月31日は,「データ解析と統計」と題して,エクセルでできる基本統計量の分析やヒストグラムなどのグラフ化,そして相関や検定(t検定,カイ二乗検定)の方法とその解釈について説明をいただきました。
 この基礎講座をもとに,これから課題研究に取り組んでいきます。
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5年 提言・創造 2016 基礎講座「英語でプレゼンテーション」 2016.12.13


 5年生全員を対象に,広島大学大学院教育学研究科のグローバル教育推進室より,Aaron C.Sponseller(アーロン C.スポンセラー)先生を講師にお招きして「英語でプレゼンテーション」という題目で,英語で講義をしていただきました。
講義は,「英語でプレゼンテーションを行う際のポイント」に限ったことではなく,「自分の考えを明確に相手に伝えるプレゼンテーションにするためのポイント」という視点から,日本語でプレゼンテーションする場合でも活用できることを教えてくださいました。講義では,原稿を丸読みしてしまったり,演壇で直立してジェスチャーのなかったりする日本人にありがちなスピーチのようなプレゼンを悪い例として挙げ,「発表者(Presenter)」「聴衆(Audience)」「スクリーン(Screen)」の関係を意識することや,「発表者は聴衆に伝えたい内容を,ストーリーとして組み上げているか」や,「文字を極力使わず,ストーリー性のある図や写真をスクリーンに投影しているか」など“ストーリー”をキーワードに,プレゼンをするにあたっての大切なことを伝えてくださいました。そして何より,言葉やスクリーンだけでなく身振り手振り,視線,体の向きといったボディーランゲージの大切さも生徒に伝えてくださいました。講義で見せるアーロン先生の姿はまさにそれらを意識されたもので,伝えたいことが端的に表されたスクリーンや,壇上を目一杯使って身振り手振りも活用されたものでした。時折笑いも交えた講義で,生徒はプレゼンテーションの面白さや醍醐味も実感しながらの1時間の講義となりました。
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5年 提言Ⅰ 2016 「全体発表会」 2017.02.14,15,21


 2017年2月14日、15日、21日に5年提言Ⅰの「全体発表会」を行いました。
 提言Ⅰでは、4年生の「体験グローカル」で学んだ複眼的な視点や、班で行った研究活動を通して身につけた研究の方法を活かして、6月から個人研究を進めてきました。提言Ⅰを選択した76名で、研究内容・テーマが関連する4人もしくは5人で1つのグループを編成(全部で17グループ編成)し、それぞれに指導教員が1名ついて大学のゼミのかたちで、授業時間外も活用して調査してきたことを定期的に報告・発表し合ったり、指導教員からアドバイスをもらったりしながら研究を進めてきました。今回の「全体発表会」では、すべてのグループから代表者を選抜し、3回の発表会で18人が提言Ⅰ選択者全員の前で発表を行いました。発表は、持ち時間7分(発表5分・質疑応答2分)の中で、パワーポイントや実物投影機を活用して自分の研究成果を報告しました。様々なテーマ・分野の発表でしたが、各自の調査・研究活動を通じて研究者としての視点を高めてきた聞き手からは、発表者に対して鋭い質問もありました。発表者も質問に対して、根拠となるデータや資料をもとに質問者を納得させる的確な返答をする姿も多く見られました。
 発表を受けて、代表者18名の中からさらに3名を代表として選抜し、3月8日の学校全体の「SGH成果発表会」で代表発表を行います。
 生徒による相互評価の評価用紙に書かれた発表者へのコメントはこちら

提言 2015 5年オーストラリア実地調査に基づく課題研究


 平成27年度は試行として海外連携校サンタサビーナカレッジとの協働学習を実施し,またオーストラリア研修では国会議事堂や戦争記念館等を訪れて海外実地調査を行いました。その後,福山とオーストラリアの資源・エネルギーのつながり,日本とオーストラリアの戦争に関する歴史や平和への取り組み,政治の仕組みの比較等をテーマとした課題研究を実施しています。
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提言 2015 5次魔方陣に挑む(第13回高校生科学技術チャレンジ)


 有志の生徒による課題研究では,これまでにもさまざまな取り組みを行ってきましたが,今年度実施した4年生田中愛登くんの研究「5次魔方陣を求める」が,第13回高校生科学技術チャレンジ(JSEC2015)の一次審査を通過しました。
 2015年12月12日(土)・13日(日)に日本科学未来館で行われた最終審査会では,ポスター発表形式のプレゼンテーション審査にのぞみ,特別協賛社賞「富士通賞」を受賞しました。  またその結果,2016年5月にアメリカ・アリゾナ州フェニックスで開かれる,インテル国際学生科学技術フェア(IntelISEF)に日本代表8研究の1つとして出場することになりました。

 <研究内容> 5次魔方陣は回転や対称なものを同一視しても全部で2億7530万5224通りあることが知られている。昨年春には茨城県の高校生が筑波大学のスパコンを用いて2時間36分で求め話題になった。インターネット上ではより短時間で求める取り組みも行われている。私はこれらの取組を見て,これらとは異なる独自のアルゴリズムでより短時間で求めることができる可能性があると考えこの研究を行った。
 まずは考えたアルゴリズムをもとにプログラムを組んだ。プログラム言語はPythonを用いた。Pythonは実行速度が遅いため高速化ツールとしてshedskinを用いた。最初に1コアで実行し,学校の情報処理演習室のコンピュータ44台(176コア)で並列計算するためのデータを取得した。そのデータをもとに計算領域を176分割し,各計算領域を担当する実行ファイル176個作を作成,それらを実際に44台のコンピュータで一斉に実行した。
 昨年度の秋には44秒で求めることに成功した。今年度はさらに魔方陣の数的対称性をプログラムに反映させることで計算時間のさらなる短縮を目指した。その結果,今回は28秒で求めることができた。
 6次魔方陣の総数は約1700京個といわれているが,このアルゴリズムを用いて同じペースで計算しても数千年かかる。新たなアイデアと計算の高速化で6次魔方陣の総数に迫りたい。
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提言 2015 防災を考える(中・高生による共同研究)


 当校の近隣地域には,伝承や文献などのほかに,地形の中にその特徴が読み取れる扇状地や断層など,かつて自然災害を引き起こした痕跡と考えられる事例が散見されます。天文地学クラブを中心とする有志のグループでは,地域の自然災害による痕跡を実地調査してまとめることを柱として,課題研究に取り組みました。
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