能・狂言教室 公演
2016.10.21
午後の5・6限は,本公演です。始まりのご挨拶と「能舞台について」の解説の後,演目の解説や鑑賞のお作法をお話しいただき,その後,いよいよ鑑賞。まずは,小学校の教科書にも掲載されており,なじみの深い狂言「柿山伏」です。ユーモラスな動きに笑いも出て,思わず感激!
10分間の休憩ですが,2分前には次の能「安達原」の囃子が始まるので,それまでには着席するようにというお作法も確認。
能の中で使われることばは,室町時代から受け継がれている脚本に則っており,聞き慣れない言葉も多いのですが,今回は舞台脇にスクリーンを設置し,せりふや解説をプロジェクターで投影しながらの鑑賞です。おかげで,各場面でのシテ方のみなさんの動きの意味をつかむことができました。ちなみに上の写真は,鬼女を演じるシテが打杖を振り上げている,午前のワークショップで全員で動きを体験した,まさにその場面です。
「安達原」の鑑賞中には,鳥取県中部を震源とする地震が発生し,福山でも震度3を記録する地震が起こるハプニングがありました。しかし,鎌倉能舞台のみなさんは,何事も無かったかのように能を続けられ,生徒も一瞬ざわつきましたが,中断すること無く,最後まで続けて演じられました。
続いておこなわれた「狂言ワークショップ」では,各クラスから立候補した代表の生徒が舞台に上がり,狂言方の善竹富太郎先生ほか3名の先生から,狂言の動きや声の出し方を指導していただき,最後は生徒全員で,狂言の発声方法による「笑い声」を体験しました。
最後の質問コーナーでは,西洋のオペラと能の「謡」の発声のちがいや,能に使われる衣装についてなど質問が出て,お答えいただきました。また,地震でも止めることなく演じられたことについての質問には,たとえシテが何かの理由で倒れても,そばに控える「後見」がシテに代わって最後まで演じ切るといった厳しさもお教えいただきました。
まさに,本物にふれた1日でした。