5年地学野外実習
2019.03.09
本日(3月9日),5年生「地学基礎」の選択者を対象に,仙酔島をフィールドとした野外実習を行いました。
仙酔島に渡り,そこから鞆方面を眺望したときに観察できる断層地形のようす,中生代白亜紀に噴出・堆積した流紋岩質凝灰岩のようす,またその地層の広がりのようす,溶結凝灰岩とそこに含まれる黒曜石のようす,「仙酔層」とよばれる堆積層(泥岩・頁岩など)のようす,潮流や波により海岸が少しずつ侵食されてできた海食地形のようす,岩盤がずれた際にその境界面がもろい状態となって見出される断層破砕帯のようす,世界的にも珍しい「五色岩」のようすなど,いろいろな地形や地層,岩石を観察していきました。
一方で,浜辺に打ち寄せるさざ波(漣)のようすや,それによってできるリップルマーク(漣痕)とよばれる堆積構造のようす,岩肌に繁茂した地衣類のようす,大伴旅人(おおとものたびと)が海路の安全を祈って思いを込めたムロの木を観察するなど,生物の先生による解説も交えながらのフィールドワークとなりました。
普段の授業ではフィールドに出ての活動が難しいこともあって,モデル実験をしたり,動画や静止画などを活用したりしながら学習を進めていくことが多いのですが,今回は,実際に自然に直接触れながら学ぶという貴重な体験の機会となり,生徒たちも意欲的に取り組んでいました。
これまでの授業で扱ってきた内容を,実際のフィールドで起こっている事物・現象と結びつけ,壮大な時間・空間スケールで繰り広げられる大地のダイナミクスも感じ取りながら,より深く学ぶことができたのなら嬉しく思います。
暦の上では啓蟄(冬ごもりの虫が地中からはい出るころ)を迎えていますが,早春の陽気にも恵まれ,有意義な野外学習のひとときを過ごすことができました。