体験イノベーション 第2回講演 ホーコス
2020.06.16
2020年6月16日7時間目に4年生を対象に,ホーコス株式会社の菅田雅夫社長と唐木俊夫専務を講師としてお迎えし,「海外展開」をテーマにご講演いただきました。
小型卓上工作機械製作,戦後は農機具(縄なえ機)の生産,その後,工作機械の生産を再開し,オンリーワン技術を磨き上げることで自動車生産機器の画期的な開発を行い,現在のように世界のほとんど全ての自動車製造関連会社へ納品するようになった経緯や,「飽くなき追究」の精神を持ち続け,現在は工作機械の他に建築設備機器や産業機械,そして環境改善機器の分野にも,展開していることなどをお話しいただきました。
また,海外赴任をした社員がたくましくなり,帰国後に社内の中心として活躍するようになっているという話をされ,そのような力をつけるためには,若いときからいろいろなことに関心を持って挑戦することが大切であるとエールをいただきました。
生徒から,企業としての社会貢献について質問がなされ,菅田さんは「色々な意味においてより良い製品を提供すること」また,唐木さんは「地球益」ということばをあげて,「少ないエネルギーで生産をすることやごみの量を少なくすることなど,地球全体の利益を追求し続けること」とお答えいただきました。
生徒の感想ならびにアンケート結果は こちら からご覧ください。
体験イノベーション 第1回講演 中島商店
2020.06.09
2020年6月9日7限目,4年生を対象に,体験イノベーションの外部講師による講演がスタートしました。
今年度はコロナ感染症対策のため,会場であるマルチメディアホールには半数の生徒が入り,残り半数は教室で会場からのTV中継とGoogle ClassroomのMeetを利用したプレゼン投影の2元中継で参加しました。
第1回の講師は,株式会社中島商店の中島基晴さんです。「地域資源の有効利用による地域活性化を目指して」と題してご講演いただきました。中島さんは,家業の中島商店の代表取締役でいらっしゃるのですが,2004年に地域の仲間たちと備後特産品研究会を立ち上げ,「地域特産品を原材料とした商品開発」「地域資源を有効活用した商品またはサービスの開発」を通した地域の活性化を実践されています。
福山は,岡山,広島の中間に位置し,新幹線,飛行機の利用にも便利な都市であること,しかし,大都市への人口流出,そして日本の人口減少の進行と人口構造の変化(高齢化)など,社会変化の中で地域コミュニティの維持が困難になっている現状がある。この解決のためには地域経済の活性化が急務になっており,福山だけでなく備後都市圏としての活性化をはかることが必要だと考えられます。そのような中,地元の地域資源,特にその土地で育まれた特産品を使ったビジネスをしたいと考え備後特産品研究会を立ち上げられたということです。
特産品とは,全国的に一定のシェアがあることなどの定量的な面と知人への贈り物にしたいなどの定性的な面をもったもので,備後地区には多くあります。その例として,くわいやちりめんの規格外品を利用した商品の開発,田島あさり「貝王」のお話,沼隈ぶどうを用いた高級ぶどうジュースの開発販売の話など,具体的事例をたくさん紹介してくださいました。このような開発や商売をするには,特産品からどんな商品を開発するのか,またそれを買ってもらえる市場をどうつくるのかを考えていくことが必要だと話されました。
備後特産品研究会を立ち上げてまず取り組んだのが「保命酒」をつかったお菓子プロジェクトでした。保命酒をつかった飴などを開発したが,それを広めるきっかけになったのがペリーの子孫の来日でした。「ペリー来航のときに飲まれていた」という伝承があり,ご子孫に飲んでもらいました。次の年,この伝承を確かなものにするため調査を行った結果,根拠となる文献を見つけ,保命酒にストーリー性が加わるだけでなく,その付加価値が上がったといった具体的なお話を伺うことができました。
備後特産品研究会とぬまくま夢工房で,地域の特産を地域の企業と一緒に楽しんで開発,販売することでWin―Winの関係で仕事ができ,「協働のものづくり」と「社会貢献」を根底にした地域活性型ビジネスモデルとして提案できていると話されました。また,バラの酵母を使った商品開発プロジェクトの事例では,地域活性化には産官学連携が重要であることを話されました。
最後に,このような活動をしていくためには,価値ある情報をいかに見つけるかが重要で,いろいろな引出しを持つことや一つの事に集中して没頭できることを見つけることなどが大切で,高校時代に養ってほしいと話されました。
生徒の感想ならびにアンケート結果は こちら からご覧ください。