歩道拡張工事と附属の地面の下
2019.09.24


福山市による歩道の拡張工事が行われています。当校と東側にあるグランラセーレの森,ならびにユーベルキッズランドとのあいだの市道に,東門付近まで歩道が設置されます。
左の写真は東門付近から南側を,右の写真は東門付近から北側を眺めたようすです。
先週,木枠を組み立て,生コンを流し込みましたが,1週間たって土止めのコンクリート擁壁が姿を現しました。このコンクリートより道路側に歩道が整備されます。

校内には排水管移設のための,深さ1mを越える大きな溝が掘られています。



溝の中をのぞいてみると,こんな様子でした。右は掘られた溝の壁面を拡大した写真ですが,現在の地面(アスファルト)から20cm程度(グレーの部分)は,舗装したときの敷石で,その下(グレーの層とその下の黄土色の層との境界)が舗装する以前の地面だと考えられます。
その下にある30cm程度の厚さの黄土色の層は,砂岩層です。さらに下はこの溝の壁面を見る限り,すべて礫岩層でした。砂岩層,礫岩層といっても,かたく固まった岩石にはなっていない地層です。

福山市木之庄町から坪生にかけての標高数十m程度の丘陵地には,附属の地下にあるのと同様の砂岩や礫岩からなる地層が分布しており,福山累層と呼ばれています。こちらは,福山累層に関する岡山大学理学部による2012年の調査結果です。附属の地下には,この「福山累層」が広がっていると考えられます。この文献によれば,時代は確実ではありませんが,数千万年前に,このあたりを北東から南西方向へ曲流した河川が,砂や礫を運んできて,福山累層を堆積させたと考えられるとのことです。

工事のおかげで,普段見ることのできない,附属の地面の下をのぞくことができました。

ちなみに,校内に下の写真のような直径が10cmを越えるようなまるく角の取れた礫が転がっていることがありますが,それらは,地下の福山累層の礫岩から出てきた礫の可能性が高いと考えられます。興味のある人はさがしてみてください。



2019.09.24 16:44 | 固定リンク | 近況

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