エンパワーメントプログラム第3日 その2
2020.12.23
3日目午後は,フードロスについてグループで考え,発表を行いました。「フードロス」という言葉は聞いたことはあっても,一体なぜそれが問題なのか,何が原因で起こっているのかについて考えることは多くの生徒にとって初めてだったようで,準備段階では真剣な表情で考える生徒たちの姿が印象的でした。解決策を考えるにあたって,グループリーダーの皆さんが,自国での話を交えてフードロスについて説明し,生徒は時折驚きを見せながらも日本での現状について静かに,かつ深く考えていました。最初は英語を「話す」ことに精一杯といった様子の生徒たちでしたが,徐々に英語を用いて他国の文化を知り,英語で考え,他者に「伝える」ことができたように感じます。また,限られた時間の中で各チームはフードロスに対する解決策を考え,シートにまとめ,発表の練習をしていました。発表の本番では,会場全体へのプレゼンに少し恥ずかしそうにしながらも,チーム全員で考えた解決策についてしっかりとプレゼンしていました。熱意のこもったプレゼンに,会場全体が耳を傾け,フードロスの解決に向けて共に考えている様子でした。生徒たちは本日の活動を通して,フードロスに関する問題意識を深め,オリジナルの解決策を考え,考えを英語で伝えるという貴重な経験を得た様子でした。





2020.12.23 21:59 | 固定リンク | 行事
エンパワーメントプログラム第3日
2020.12.23
3日目午前のスタートは,ジェスチャーゲーム。ジェイソン先生が選んだオリンピックの種目からの出題で,答えをジェスチャーで当てるというシンプルなクイズです。またドナルドダック,くまモン,ふなっしーのマスコットからの出題もあり,生徒たちはその場で跳ねたり,走ったりと全身を使ってゲームを楽しみました。午前のトピックはIDENTITYです。このトピックを考える上でのキーワードはLABELESとQUALITIESの2つです。最初にジェイソン先生やグループリーダーが具体例を挙げながら,生徒にキーワードの使い方を示しました。例えばLABELESとしてdaughters, sons, bothers, sisters, friends, teachersなど所属を表す語句,QUALITIESとしてactive, helpful, hardworking, open-minded, honest, independent, cheerfulなど本質や性質を表す語句が多かったです。しかし,生徒にとって自分が何者なのかを表す語句を選ぶことは難しく,休憩時間に「先生,自分のQUALITIESを表すのにぴったりくる言葉が見つかりません。どれも真ん中なんです。」と声をかけてくれた生徒がいました。普段の生活の中で「自分とは何者か」を誰かに話す機会はないため,難しいトピックだと思います。休憩後,グループリーダーが,的確なアドバイスをしているのが聞こえてきました。「他者から見た自分はどんな人だと思うか,その根拠は何か,自分はどんな人だと思われたいか。今後はどんな風にimproveしたいか。」など答えを導くための質問をたくさん投げかけていました。この活動を通して生徒たちは,改めて自分自身をしっかりと見つめ,自分が何者で,今後はどうなっていきたいかを具体的に考える機会を持つことができました。

2020.12.23 21:53 | 固定リンク | 行事
エンパワーメントプログラム第2日 その2
2020.12.22
2日目午後は,地域に貢献するためのボランティアについて,ポスターを用いたプレゼンテーションを行いました。「こども」「貧困」「一人暮らしの高齢者」など,難しいトピックではありましたが,グループリーダーの皆さんの補助を受けながら,地域の社会問題について真剣に考え,自分の言葉で伝えようとする姿勢が見られました。



生徒たちが懸命に準備や練習をしている姿を見て,ジェイソン先生は生徒たちに「メモを使って話してもいいけれど,読んでほしくないからね。しっかり練習してね。」とアドバイスをしていました。14:20からグループごとに発表を行いました。To make maps for foreigners, How to help children, How we help our community, Easy life for children, Helping elderly people, Food Cycle,またコロナ禍で職を失ったことについて触れた発表もあるなど,内容は様々でどれも考えさせられる内容でした。生徒たちが地域の社会問題と向き合い,問題点を考えて解決策を提案するという課題解決のサイクルを使った発表を行うことは,非常に意義があることですし,このプログラムだけではなく,今後はますます多くの場面で必要になることだと思います。



2020.12.22 23:10 | 固定リンク | 行事
エンパワーメントプログラム第2日
2020.12.22


エンパワーメントプログラム2日目は,頭と体を使うゲームからスタートしました。

心身ともに緊張をほぐすことが目的なのでしょう。生徒は自然に笑顔になっていきました。

本質午前のお題は,“Positive Thinking”です。Positive Thinkingがなぜ大切なのか,そのためには何が必要なのかを,自分自身を振り返りながら考え語り合うプログラムです。

自分の考えを英語で語れたとき生徒は,ほっとしたような,少し自信と誇りを手にしたようないい顔をします。
2020.12.22 10:55 | 固定リンク | 行事
福富町でのサイエンスワークショップ
2020.12.22
12月13日(日),東広島市福富町にて実施した「サイエンスワークショップ」の報告です。
ワークショップのテーマは,「里山の生態系,とくに両生類の生態が人々の生活にどのように機能しているのかを知る」,「里山の地域資源や人材をどのように活かせば地域創生に貢献できるかを考える」の2つです。

このワークショップを実施するにあたって,広島大学両生類研究センター 井川 武 助教 および 近畿大学工学部 谷川大輔 准教授,広島大学の学部生および大学院生3名,そして当校の生物担当 田中 伸也 先生に協力いただきました。また,当校校長の清水 欽也 先生,学友会本部役員4年生9名にも参加していただきました。生徒のみなさんにはこのワークショップのモニターとして参加してもらい,将来的に私が開発,実践したいと考えている「産官学連携による地域共創サイエンスツーリズム」の企画案の創出をお願いしました。

ワークショップ当日までに,事前学習として,田中先生には「生態系における両生類の役割」について講義いただきました。里山の生態系において,カエルやサンショウウオなどの両生類は,成体では昆虫などの小動物を捕食する消費者としての役割を果たしますが,幼生(オタマジャクシ)のときには動植物の遺骸などの分解者でもあり,里山の湖沼の水質維持に貢献していることなどを学びました。すなわち両生類は,食物連鎖において上位と下位をつなぐ重要な役割を担っているということです。

ワークショップ当日,まず午前中には井川先生にご指導いただき,福富町を流れる沼田川上流に生息する両生類探索の手法やマナーについて学びました。時期的に両生類は冬眠を始めるころですが,参加者全員で実際に沼田川に入って探索したところ,アカハライモリなどの両生類を見つけることができました。



フィールドワーク終了後,徒歩で「星降るテラス」へ移動し,「福富物産しゃくなげ館」特製の福富産食材をつかったお弁当をいただき,地産地消について考えました。星降るテラスは,福富町への移住促進や福富町の情報発信の拠点,そして日本文化や田舎暮らしを体験できる場として活用するための,谷川先生が所有される古民家スペースです。星降るテラスは,福富町の自然の魅力を近隣地域に発信するために,私自身もときどき理科出前授業をさせていただいています。囲炉裏やかまど,五右衛門風呂も備えた魅力的な古民家です。
 


お弁当を食べながら,参加者全員でざっくばらんに,里山の地域資源や人材をどのように活かせば地域創生に貢献できるか,意見交流を行いました。以下に,参加生徒の感想や意見の一部を示します。( )内の言葉は,生徒の意図がより伝わりやすいよう加筆しました。

・小川の生物観察は貴重な観光資源であり,自然との関係を忘れてしまった都会+現代人にとっては大きな需要があり,地域活性化につながると思う。今回の行程は,両生類について知るのと田舎の自然の堪能という2つのことに興味関心を持てるようなものでした。それは(ツアーに参加する)目的が違う人が(出会い交流することで),別のことに興味をもつ可能性があるということです。
・古民家をリノベーションして宿泊施設やレジャー施設にする取り組みはあちこちで耳にしますが,さらなる地域創生のためには,(地域の方々と)積極的にコミュニケーションをとろうとする姿勢が必須であると感じました。(地域の方々は)困ったときに力を貸してくれる頼もしい味方だと思います。常日頃から挨拶をし,その地域の情報収集を自分から行うことで地域の方々の信頼を得て,互いに助け合える素晴らしい関係を築くことができるはずです。
・日本には福富町のような田舎はたくさんあります。その中でどれだけ魅力を発信し,アピールできるかが鍵だと思います。今回のツアーは,両生類の観察と星降るテラス(古民家再生)の2本立てでした。このように「何か1つの事+星降るテラス」という工程を立てればよいと思います。写真好きの人に焦点を当てて「田舎の日本の風景を撮ろう」や地域の人たちと協力して農業体験など,都会では味わうことのできない体験を星降るテラスと一緒にするとよいと思います。

今回のワークショップを踏まえ,将来的に地場産業や自治体,学校,そして地域の方々とのパートナーシップをより良質なものに改善していきながら,地域共創の一助となるような「サイエンスツーリズム」を開発していきたいと考えています。現在,次の企画を考案中です。引き続きよろしくお願いいたします。
(文章:大方 祐輔)
2020.12.22 09:20 | 固定リンク | 近況

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